鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

相変わらず上手いなぁ:読書録「人魚が逃げた」

・人魚が逃げた
著者:青山美智子 ナレーター:下妻由幸、くわばらあきら
出版:PHP研究所(audible版)

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青山さんの作品を読むのは何作目かなぁ。
毎回仕掛けの巧みさとリーダビリティの良さに感心させられています。
本作もそう。
銀座に人魚を探してる王子が現れた?
その突飛な設定からこんな物語が紡がれるなんて。


(audible)
サマリー
本屋大賞4年連続ノミネート!
今最注目の著者が踏み出す、 新たなる一歩とは幸福度最高値の傑作小説!

<STORY>
ある3月の週末、SNS上で 「人魚が逃げた」 とい
う言葉がトレンド入りした。 どうやら「王子」と
名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕
の人魚が、いなくなってしまって…逃げたんだ。
この場所に」と語っているらしい。 彼の不可解な
言動に、人々はだんだん興味を持ち始め――。
そしてその「人魚騒動」の裏では、5人の男女が
「人生の節目」を迎えていた。 12歳年上の女性と
交際中の元タレントの会社員、娘と買い物中の主
婦、絵の蒐集にのめり込みすぎるあまり妻に離婚
されたコレクター、文学賞の選考結果を待つ作
家、 高級クラブでママとして働くホステス。
銀座を訪れた5人を待ち受ける意外な運命とは。
そして「王子」 は人魚と再会できるのか。
そもそも人魚はいるのか、いないのか..


5つの連作短編が収められていて、それぞれがゆるくつながっていると言うのは、青山さんの作品ではよくあるパターン。
あぁ5つのうち、2つはコインの裏表みたいになっていて、結構密接に関係しているんですけどね。
どの作品も読後感がすごくいいんだけど、最後の最後の結末ははっきりとは書かないスタイル。
今の不安定な関係性を確かなものにしたり、旅立つ子供の背中に自分の生き方を肯定する思いを抱いたり、長い婚姻関係を終わらせた真の意味を自覚したり、あるいは婚姻関係の確からしさを再確認したり、むかしの初恋の顛末を見直したり。
ハッピーエンドだけじゃないけど、1歩踏み出す気持ちを抱かせてくれる連作です。
個人的には懐中時計の老人の話がよかったかな。
年齢も近いしw。


それぞれの物語にちょっとした仕掛けがあるんですけど、エピローグではこの作品自体の設定の仕掛けが明かされます。
これはちょっと賛否あるかも。
僕自身は
「ここまで明らかにしなくてもいいんじゃないかな」
と思いました。
ちょっと曖昧な感じが好きだっていうのもありますからね。
まぁ好みの問題です。
それでこの作品が嫌いになるっていうほどのものじゃないですよ。


多分僕は青山さんの作品はほとんどAudibleで聞いてると思うんですけど、どれもオーディオブックで聞くのに向いている作品だと思います。
ナレーターのチョイスが絶妙っていうのもあるかな。
ボリューム的にも連作、ラジオドラマを聴いてる感じで通勤途上なんかにちょっと良いです。
最近、ドラマを通勤中に見るようにもなっているので、奪い合いになっちゃってるところはあるんですけどw。


#読書感想文
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#青山美智子
#Audible