・仲野教授の そろそろ大阪の話をしよう
著者:仲野徹
出版:ミシマ社
僕は大阪人じゃない。
4歳から10歳まで「尼崎」で過ごしたので、ベシャリの基本は大阪弁「っぽい」けど(アマやけどねw)、生まれは松山やし、一番過ごした期間が長いのは東京。
大学時代は池波正太郎にハマって、お陰で「大阪弁のイントネーションで江戸弁」みたいな、訳わからんことにもなってますw。
それが何やかんや色々あって、今は家族と千里中央住まい。
とはいえ、「センチュー」なんで、これまた「大阪」本流とはちょいと…って感じなんですがね。
そういう「大阪人もどき」にとって、本書は実に面白かった!
阪大のオモロイ教授の仲野教授が、大阪に関する以下のテーマで対談したのをまとめた作品です。
・大阪人:高島孝次
・大阪弁:金水敏
・花街:西川梅十三
・大阪城:北川央
・私鉄:黒田一樹
・食:江弘毅
・音楽:キダ・タロー、輪島裕介
・大阪のおばちゃん:谷口真由美
・上方落語:小佐田定雄
・地ソース:堀焚浩二
・大大阪:橋爪節也
・締め:柴崎友香
大阪の適度な「緩さ」が滲み出る、それでいて結構真面目な内容の対談。
「ゲラゲラ」って感じじゃないけど、常時「ニヤニヤ」でしたし、読み終えると、なんとなく「大阪」に関するディープな知識は増えたような「気がする」w。
しかし、みなさん、「維新の会」がお嫌いですなw。
割と学者よりの人が多いんで、分からんでもないんですけどね。
ただ個人的には
「そうは言っても、先立つもんはちゃんと用意できおるようにせんと」
とは思うわけです。
文化だ、何だ言っても、ない袖は振れない。
「大大阪は経済のことだけじゃない!量より質だ!」
って言っても、まずは「量」がないと。
僕は大阪の停滞はむしろ「銭金のことを真剣に言わんようになったから」やと思ってるんですよね。
だから「大阪維新」については(文句はあるけど)悪くないと思ってます。
もうちょいお行儀良くしたらええのに、とは思ってますがw。
とはいえ、主義主張はそれぞれ。
どうであれ、本書は、楽しく、興味深く読めて、多面的な「大阪」を知ることができ、かつ「実践的」。
<大阪本>としては出色の出来の作品です。
なかなかこう言う本はなかったですよ、今まで!
よう知らんけど。