・後世への最大遺物
著者:内村鑑三
出版:青空文庫(Kindle版)
「ほぼ日刊イトイ新聞」で先日まで連載されてた糸井重里さんと孫泰蔵さんの対談。
コレが実に面白かった!
その最終回で孫泰蔵さんが影響を受けた本としてあげてる作品です。
まあ青空文庫でタダで手に入るんで、すぐDLして、帰りの地下鉄で読みました。
ま、ちょうど読み終えれるくらいのボリュームですw。
内容はね〜。
コレはもう、対談での孫泰蔵さんの要約をお読みください。
ユーモアたっぷりにして、作品のポイントを突いた出色のまとめと思いますw。
https://www.1101.com/taizoson/2018-05-28.html
まあ内村鑑三さん自身、序文で、
<多くの人がこの書を読んで志を立てて成功したと聞きます。その内に私と同じようにキリスト信者になった者もすくなくないとのことであります。そして彼らの内にある者は早くすでに立派にキリスト教を「卒業」して今は背教者をもって自から任ずる者もあります。またはこの書によって信者になりて、キリスト教的文士となりて、その攻撃の鉾を著者なる私に向ける人もあります。実に世はさまざまであります>
なんて書いちゃう、ユーモア人なんですけどねw。
僕も本書を読んで感銘を受けました。
…でも、「?」ってトコも。
例えばこんなトコ。
<なるほど『源氏物語』という本は美しい言葉を日本に伝えたものであるかも知れませぬ。しかし『源氏物語』が日本の士気を鼓舞することのために何をしたか。何もしないばかりでなくわれわれを女らしき意気地なしになした。あのような文学はわれわれのなかから根コソギに絶やしたい(拍手)>
まあウケ狙いかもしれませんが、思想史的にもこの評はどうなんでしょう?
「やまとごころ」と明治維新の関係とか…。
まあそういう意味で、根っこのところで実に「明治」っぽい<坂の上>思想を感じたりもしましたw。
それがキリスト教者である内村鑑三に出てくるってとこが、興味深いとも言えますがね。