・明治維新で変わらなかった日本の核心
著者:猪瀬直樹、磯田道史
出版:PHP新書(Kindle版)
今年は「明治維新150周年」とか。
色々イベントもあるようですが、そこまで盛り上がってます?
自分自身が佐幕派の藩(まあ緩かったようですが)の出身だからかもしれませんが、あんまりそんな感じしないんですけど。
個人的にはむしろ「維新」の評価を見直す動きの方が目に付きます。
ま、長州ご出身の首相がゴタゴタに巻き込まれてますしねw。
本書自体は「反・維新」って感じじゃないです。
ただ「明治維新の前段階で日本の近代の礎はかなり出来ていた」ってスタンスで、良くも悪くも江戸時代でそれが完成した…と見てるので、相対的に維新の評価を下げる面はありますかね。
<猪瀬 日本は組織構造にしても、日本の風土のなかで、そのようにさまざまな経験を積み重ねてきたということですね。逆にいえば、日本が近代で強みを見せて、明治にも昭和の戦後にもあれほどの急成長を遂げたのは、それまで慣れ親しんだ精神風土のまま、大きなギャップを感じずに生きてこられたからかもしれません。そして第二次世界大戦で日本があれほどの敗北を喫してしまったのも、軍隊や官僚組織に、江戸時代に由来する組織風土のマイナスの部分が蔓延していたからといえるかもしれない>
その中で「経済的土壌」を作り上げた人物として「二宮金次郎(尊徳)」への評価はむちゃくちゃ高いです。
「そうだよな〜」
とは思うものの、二人とも二宮金次郎に関して書いた本があるんですよ。
重要人物だから…ってのはもちろんあるにせよ、ちょっと…ねw。
ま、それはともかく、あとがきで磯田さんも書いてる通り、「通史」を学ぶということの重要性は僕も同感。
ある時代や人物を深〜く学んで行くのも、それはそれで面白いんですけど、「通史」の視点を持たないと、大きな流れや大局観が見えてこない。
そう言う見方が歴史の転換点では重要な意義を持ってくる。
ここら辺は出口治明さんなんかも言ってますね。「全サピエンス史」なんかが読まれることにも通じるでしょう。
とは言え、それでもなお、「天皇」と言う存在については「見えてこない」。
平成が終わるタイミングで、その不思議さにもまた思いが馳せられます。
対談集ですからね。
読みやすいと言えば読みやすい。
ただ社会構造や経済構造の変遷みたいなトコにポイントがあるんで、その手の苦手な方はちょっと引いちゃうかなw。
僕としては一読に値する一冊と思ってます。