鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「本屋大賞」向きですw:読書録「書店主フィクリーのものがたり」

・書店主フィクリーのものがたり
著者:ガブリエル・ゼヴィン 訳:小尾芙佐
出版:早川書房

書店主フィクリーのものがたり

書店主フィクリーのものがたり


妻を亡くした島ひとつの本屋の店主。
ある事件があって、子供(娘)を一人、育てることになる。
…それを契機として、偏屈な人柄に変化が訪れ、周りの人間模様も少しずつ…


と言う、如何にも「本好き」「本屋好き」のココロをくすぐる設定です。
実際、2016年本屋大賞翻訳小説部門「第1位」を獲得しておりますw。


まあ、「ウエル・メイド」な小説だと思いますよ。各章の冒頭に、主人公が娘に勧める形で短編小説が紹介されてるんですが、セレクションも、コメントもなかなか好ましいです。(読んだことあるのは数編だけどw)
個人的にはもう少し、「娘」との交流にウエイトを置いて欲しかったかな?それじゃあ「ありがち」になり過ぎたかもしれないけどw。
もっともその代わりに描かれる周りの人間模様や、「事件」の顚末なんかは、それはそれで興味深いものとなっています。警察署長の「変化」なんか、イイですな。


「悲劇」が描かれているんだけど、読後感は全く湿っぽくなくて、そのタッチが僕は好きです。
ちょっとヤング・アダルト小説っぽくもあるけどねw。