鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「答え合わせ」的ではあるけど、興味深くは読めました:読書録「コスパで考える学歴攻略法」

・コスパで考える学歴攻略法 著者:藤沢数希 出版:新潮新書 我が家の2人の子供は18歳と16歳。 2人とも私立の一貫校に行ってるので、本書について言えば「今更」ではあります。 中学受験用の塾の話とか、日本の中高教育の評価とか、かなり具体的で興味深いん…

あり得たかもしれないシーン、ある得るかもしれないシーン:映画評「BLUE GIANT」

アニメ化の報道が出た時、 「おお〜」 と思ったものの、一方で一抹の危惧も…。 しかしそれは「危惧」に終わりました。 音楽アニメとして、観たことのないものを観せて、聞かせてくれたなぁ、と。 「The First SLAM DUNK」も何かを突き抜けたところがありまし…

「事件」より、刑事たちの「人生」の行方の方が気になります:読書録「P分署捜査班 寒波」

・P分署捜査班 寒波 著者:マウリツィオ・ジョバンニ 訳:直良和美 出版:創元推理文庫(Kindle版) ナポリを舞台にした、エド・マクベイン「87分署」シリーズにオマージュを捧げる「P分署」(ピッツォファルコーネ署)シリーズ第3作。 今作では、「兄妹」が…

だらだらシリーズにしてもいいのに…:読書録「校閲ガール ア・ラ・モード」「校閲ガール トルネード」

・校閲ガール ア・ラ・モード ・校閲ガール トルネード 著者:宮木あや子 ナレーター:中嶋ヒロ 出版:角川文庫(audible版) 面白いシリーズになりそうなので、ゆっくり読もう(聴こう)と思ってたんですが、ちょっと時間ができた時に2巻(ア・ラ・モード)…

チャドウィック・ボーズマン、フォーエバー:映画評「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」

前作で「ブラックパンサー」を演じていたチャドウィック・ボーズマンの死去を受けて、計画されていた続編でもボーズマンが演じていた「ティ・チャラ(ブラックパンサー)」を病死させ、その喪失から周りの人間たちが立ち直る過程を映画化した作品。 かなり特…

「ビジネス・マナーとしてのフェミニズム」くらいの感覚で手に取ったんですが、思ってたよりよく整理されてました:読書録「世界一やさしいフェミニズム入門」

・世界一やさしいフェミニズム入門 早わかり200年史 著者:山口真由 出版:幻冬舎新書(Kindle版) 「フェミニズム」については現代的イシューとして重要なことは理解しているものの、なかなか近寄りがたいのも事実。 作者も過去の経験から、<世間とフェミ…

いやぁ、オモロかった:読書録「校閲ガール」

・校閲ガール 著者:宮木あや子 ナレーター:中嶋ヒロ 出版:角川文庫(audible版) 「石原さとみ」主演でドラマ化されてましたね。 妻と娘が大好きで…なんですが、僕は観てません。 チョット苦手なんですよ。石原さとみ。 …なのに読んで(聴いて)みる気に…

楽しみなシリーズになりそうです。:読書録「木曜殺人クラブ 二度死んだ男」

・木曜殺人クラブ 二度死んだ男 著者:リチャード・オスマン 訳:羽田詩津子 出版:ハヤカワミステリ(Kindle版) リタイアした高齢者が住むビレッジ「クーパーズ・チェイス」に住む老人たちのクラブ<木曜殺人クラブ>の面々を主人公としたシリーズ第2作。 …

確かにバットマンは「卑しき街を行く騎士」ですからね:映画評「THE BATMAN」

どこかで監督だか脚本家だかが、 「バットマンが探偵役の映画なんだ」 みたいなことを言ってた記事を読んだ覚えがあるんですが、確かにそんな感じです。 ハードボイルドの探偵映画。 マスク姿のバットマンが警官と一緒に実証検分するシーンなんかがあったり…

刺激的な題名ですが、これは編集者の提案のようです。「気づき」を得るために読む本…でしょうか。:読書録「高学歴親という病」

・高学歴親という病 著者:成田奈緒子 出版:講談社+α新書 小児科医であり、脳発達を研究される学者であるとともに、子育て支援のための事業「子育て支援アクシス」を運営される作者による「子育て本」。 山中伸弥さんの同級生…というのが「売り」になっち…

一番「謎」なのは探偵役w。:読書録「サーチライトと誘蛾灯」

・サーチライトと誘蛾灯 著者:櫻田智也 ナレーター:浅井晴美 出版:創元推理文庫(audible版) 続編(「蝉かえる」)の文庫化の記事を読んで、シリーズ1作目が気になり、audibleで検索したところ、あったので。 「えり沢」(「えり」は魚へんに「入」)と…

「イヤミス」じゃあ、ないんだけど…:読書録「Iの悲劇」

・Iの悲劇 著者:米澤穂信 ナレーター:村上紀生 出版:文春文庫(audible版) 無人になった集落を再生させる市長肝入りのIターンプロジェクトを差配する「甦り課」。 なんとか定住者を呼び込むものの、なぜか色々な事件が起きて、住民が次々と去っていく… …

「ごんぎつね」で盛り上がったのは、本書のテーマとしてはマイナスだったかも:読書録「ルポ 誰が国語力を殺すのか」

・ルポ 誰が国語力を殺すのか 著者:石井光太 出版:文藝春秋 少し前に「ごんぎつね」の描写について、小学生が「誤読する」ということで話題になりました。 https://www.gentosha.jp/article/22349/ 「ソレはひどい」 という反応もある一方で、 「誤読とい…

穏やかで、懐かしい気配のする時間が過ぎていく。それがいつまで続くのかは分かりませんが。:ドラマ評「舞妓さんちのまかないさん」

是枝裕和監督が総合演出したNetflixオリジナルドラマ。 ジムでエアロバイクを漕ぎながら1話ずつ見て、全9話をゆっくり見終わりました。 最後の2話は我慢できずに続けて…でしたがw。 何より主人公2人(森七菜、出口夏希)のしぜ〜んな10代が良いんですよね。 …

話題に乗ってみました。:読書録「すべて真夜中の恋人たち」

・すべて真夜中の恋人たち 著者:川上未映子 ナレーター:小林さやか 出版:講談社文庫(audible版) この作品が「全米批評家大賞」の最終候補作になったというニュースを読んで、audibleを検索してみたらあったので聴いてみることに。 流行りもんに踊らされ…

この題名でいいのかな?:読書録「ネット右翼になった父」

・ネット右翼になった父 著者:鈴木大介 出版:講談社現代新書(Kindle版) デイリー新潮のこの記事は興味深く読んだ覚えがありました。 <亡き父は晩年なぜ「ネット右翼」になってしまったのか> https://www.dailyshincho.jp/article/2019/07251101/?all=1…

犬を飼ってなきゃ、多分読まなかった(聴かなかった)と思いますw:読書録「犬を盗む」

・犬を盗む 著者:佐藤青南 出版:実業之日本社(audible版) 偏狭な人柄で孤独に暮らしていた資産家の老女が殺害される。 彼女は一匹の犬(ロングコートチワワ)を飼っていたが、その犬は1年前に13歳で死んでいた。 事件から程なくして、彼女の家に近いコン…

「何が起きているか」を知るのには向いているけど、「どうしてなのか」については、もう一歩踏み込んで欲しい:読書録「非科学主義信仰」

・非科学主義信仰 揺れるアメリカ社会の現場から 著者:及川順 出版:集英社e新書(Kindle版) 2019年から2022年、NHKでアメリカからリポートしている記者が、放映に際して取材した内容なんかも加味して、アメリカで深刻化する「分断と対立」について、現地…