・木曜殺人クラブ 二度死んだ男
著者:リチャード・オスマン 訳:羽田詩津子
出版:ハヤカワミステリ(Kindle版)
リタイアした高齢者が住むビレッジ「クーパーズ・チェイス」に住む老人たちのクラブ<木曜殺人クラブ>の面々を主人公としたシリーズ第2作。
第1作はクリスティの「火曜クラブ」を連想させつつも、アームチェア・ディテクティブとは正反対の高齢者たちのアクティブな姿が描かれ、最終的には本格推理的な「謎解き」がされた…と思いますw。(あんまりストーリーを覚えてない。面白かった記憶だけはあるんですが…)
続編となる本作では、確かに<謎>はあるのですが、さらに老人たちはアクティブになり、マフィア、スパイ、ストリートギャングが交錯し、銃弾の飛び交う展開となります。
1作目では仄めかされていたクラブメンバーの1人エリザベスが、元MI5の敏腕スパイだったことが早々に明かされますからねw。
物語の軸となる事件は二つ。
クラブメンバーの1人、元・精神科医のイブラハムがストリートギャングに暴行を受けた事件。
そしてエリザベスの元・夫(こちらは現役スパイ)が任務中にダイヤモンドを盗み出し、マフィアに命を狙われるのを護衛する…という案件。
1作目で仲良くなった警官コンビと連携してストリートギャングへの復讐を企み、結局殺されてしまった元・夫が隠したダイアモンドを探しての争奪戦に巻き込まれる(と言うより、飛び込んだ感じだけどw)ことになります。
エリザベスの元スパイとしての行動力とクールさが光りますが、「老人」たちの吹っ切れたユーモアと倫理観も物語の彩りとして楽しめます。
<コニー・ジョンソンはできるだけロンに近づき、歯ぎしりしながら言う。「あたしがシャバに出たら、あんたの命はないよ」
ロンは彼女を振り返る。「ああ、おれは七十五なんだ。で、あんたは三十年ぐらいは食らうだろ。うん、了解だ」>
すでに続編も出版されており、翻訳も今年中には出る模様。
なんか「窓際のスパイ」その後…みたいな感じですがw、この路線、好きです。
楽しみなシリーズになりそうです。
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