鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

悪魔、誕生:読書録「殺し屋の営業術」

・殺し屋の営業術
著者:野宮有
出版:講談社(Kindle版)

f:id:aso4045:20251105161125j:image

 

江戸川乱歩賞受賞で、なかなか興味深い設定。
…で、気にはなってたんですが、文庫か、audibleを待つかなって感じでもありました。
が、ネットでのオススメ投稿を読んで、思い切って購入。
いやぁ、むちゃくちゃ面白かったです!


(ChatGPT)
概要
『殺し屋の営業術』は、野宮有による第71回江戸川乱歩賞受賞作。講談社から2025年8月29日に刊行された、営業×クライムの発想で突っ走るジェットコースター・ミステリー。帯では有栖川有栖・東野圭吾・湊かなえらの推薦コメントも並ぶなど話題化。

あらすじ
契約のためなら手段を選ばないトップ営業マン・鳥井は、夜のアポイント先で刺殺体に遭遇し、背後から“仕事中”の殺し屋に襲われる。
窮地の彼が繰り出したのは命乞いではなく営業トーク──「私を雇えば状況を改善できる」と逆提案して場をひっくり返し、結果として“殺人請負会社”の営業として働くことに。
課されたノルマは「2週間で2億円」。KPI、クロージング率、ターゲティング……正統派の営業メソッドを、そのまま“闇のビジネス”に適用しながら、社内外の力学と倫理の綱渡りを、鳥井が猛スピードで駆け抜けていく。


「面白そう」とは思ってたものの、作品の詳細はあんまり知りませんでした。
フツーの営業マンが殺人の現場に出くわしてしまい、なんとか生き残るために営業トークを四苦八苦しながら繰り広げるコメディタッチの連作小説
…みたいなイメージ?
全然違ってましたけどw。
短編じゃないし、コメディじゃない。
フツーの営業マン?
いやいやいやいや。


むしろこの作品は、
<地獄めぐりの中で「自分」を再発見する男の物語>
って感じじゃないですかね。
通過儀礼もあって、行き着く先が
「悪魔、誕生」
ラストの切れ味がいいですねぇ。
個人的には敵役の女性が好きなんで、尚更でした。
まあ、インモラルな話でもあるんで、好みは分かれるでしょうけど。


作者の野宮さんはマンガの原作なんかもされてるようで、このキャラの立ちっぷりはそう言う資質もあってかもしれません。
漫画化・映画化、すぐに出来そうな作品でもありますしね。


続編。
ありますかね。
あってもおかしくないラストではあります。
でもこのスパッと切ったラストで終わらせるのも全然あり。
どちらでも個人的にはOKです。
あ、漫画化は見たいかなぁ。

f:id:aso4045:20251105161252p:imagef:id:aso4045:20251105161255p:image

 


#読書感想文
#殺し屋の営業術
#野宮有