鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

きらびやかで、センチで、少し甘めの短編小説のよう:映画評「端くれ賭博人のバラード」

<あの世で目覚めた賭博人の話を?
意識が戻ると豪華なカジノにいる。
シャンパンに女たち、
次から次へ勝ち続け、負け知らずだ。
ついに隣の人に言った。
「天国に行けるとはね。地獄に落ちると思ってた」
すると相手は…
「ここは地獄だ」>

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(ChatGPT)
概要
Netflix配信の長編映画『端くれ賭博人のバラード』(原題:The Ballad of a Small Player)。監督は『西部戦線異状なし』『教皇選挙(Conclave)』のエドワード・ベルガー、脚本はローワン・ジョフィ。原作はローレンス・オズボーンの同名小説(2014)。舞台はマカオのカジノ街で、依存と罪悪感、贖罪をモチーフにした心理サスペンス寄りのヒューマンドラマ。主演はコリン・ファレル。共演にファラ・チェン、ディニー・イップ、ティルダ・スウィントン、アレックス・ジェニングス。2025年10月29日からNetflixで配信(102分/独・米)。

あらすじ
借金と素性の“偽り”を抱え、マカオの高額テーブルを転々とするギャンブラー、ロード・ドイル(コリン・ファレル)。過去から逃げ続ける彼は、バカラ台で出会った謎めいたカジノ従業員ダオ・ミンに惹かれていく。一方、私立探偵のシンシア(ティルダ・スウィントン)が彼の足取りを執拗に追い、さらにドイルの旧知の詐欺師エイドリアンまで関与。追い詰められる中で、ドイルは“最後の賭け”と、人生を反転させるかもしれない選択に向き合うことになる——。

 

 

「教皇選挙」のエドワード・ベルガー監督作品。
Netflixオリジナルです。
なんだろうな。
もっとこうハードでドライな話かと思ったんだけど、結構切なくてロマンティックな話でした。


コリン・ファレルが演じる主人公は、まあ人間のクズのような存在です。
途中、彼自身がこんな風に認めます。

<「俺は真実から逃げてる。
ギャンブル依存で嘘つきで泥棒。
詐欺師だ。」>

全くその通りなんですよね。
その彼がマカオのカジノを舞台にして、その極彩色の世界を走り回りながら、借金から逃げ、女を追いかけ、赦しと救済を求めて行く、そんな話です。


なぜ彼にそのチャンスがあったのか。
ヒロインは彼のどこにそれを見出したのか。

いや、それは彼の中に何かを見出したわけじゃなくて、彼女がただ賭けてみただけなのかもしれない。
そう考えた方が話としてはスッキリするような気もします。

ティルダ・スウィントンが演じる探偵は、キャラクターとしては結構いいと思うんですけど、彼女と主人公の物語はもしかしたらちょっと深入りしすぎだったような気もします。
そこをもう少し。ドライにした方が全体としての物語のまとまりは良かったかも。
いや、本当にいいキャラクターなんですけどね。


若い頃から薬物依存とアルコール中毒でいろいろ迷惑もかけ、苦労もしてきたコリン・ファレルだからこそのハマり役なのかもしれません。
いい演技でした。
僕はこういう話好きですね。
まあ、おとぎ話といえばおとぎ話なんですけど。


#映画感想文
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