・ババヤガの夜
著者:王谷晶
出版:河出文庫(Kindle版)

ダガー賞を受賞したということで、突然脚光を浴びた作品。
まあ僕もそれがきっかけで購入して読んだんですけど。
徹底的なバイオレンスを描いている小説というふれこみだったんで、それを期待したんですが、まあそれはもう全くその通りでした。
(ChatGPT)
王谷晶の『ババヤガの夜』は、暴力に生きる若い女性・依子と、ヤクザの一人娘・尚子の魂の交流を描いた長編小説。一見するとハードボイルドなバイオレンスものだが、実のところは「名前のつけられない絆」を描いた静かなシスターフッドの物語でもある。
物語は、喧嘩の強さだけが取り柄の依子が、ある事件をきっかけに、組長の娘・尚子のボディガードとして雇われるところから始まる。反発しあうようでいて、実はどこか似た孤独を抱える二人。やがて、尚子が抱える暴力の恐怖と、依子の内に潜む獣のような衝動が交差し、彼女たちは逃げることを選ぶ。
主人公の新道依子っていうのは、もうとにかく生まれからして少し謎なところがあるんですけれども、その結果、暴力の衝動っていうのを体の中に埋め込まれていて、それに従って生きているようなキャラクターになっています。
彼女がヤクザの娘・尚子のボディガードをするようになるというのが話の骨子ですけど、それに至るまで、その間もとにかく激しい暴力描写が続きます。
それでいてスピード感があって、それなりに爽快感もあるところもこの作品の特徴だと思います。
…と言っているところからの〜っていうところがまあなんというかこの作品のウリなんですよね。
これまあネタバレ厳禁になっちゃう部分だと思うんであんまり言えないんだけど、まぁそこには本当に感心させられました。
途中までは、「これ、キャラクターを男性に変えても成立するかなぁ」とか思いながら読んでて、「そうしちゃうとちょっとパターンになっちゃうかな」とか思ってたんですけども、これは女性同士じゃないと成立しない世界でしたね。
なかなかすごい。
この発想っていうのは全然なかったです。
彼女たちが幸せだったのかどうかはよくわからない。
ラストからしてもね。
だけど多分幸せだったんじゃないかなっていうのが僕の感想です。
そういうイメージがあります。
一般的なめでたし、めでたしとは違うかもしんないけれども、それでも幸せだったのだと思うんだけど、どうかな。
それは読む人によって違うかもしれません。
200ページくらいだから、そんなに長い小説じゃないけど、かなり読み応えのある作品ではありました。
受賞するのも確かに、とも。
むしろ問題は日本で発表されたとき、そこまで話題にならなかったことの方かも。
寺田克也さんのイラストもイイ味出してるのにねぇ。

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