鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

AI時代におけるアクティブ・ファンドの生き残り戦略…みたいなものかな?:読書録「『日経平均10万円』時代が来る!」

・「日経平均10万円」時代が来る!
著者:藤野英人
出版:日本経済新聞出版(Kindle版)

f:id:aso4045:20240118124529j:image


「ひふみ」の藤野英人さんの新刊。
僕は FBで割と藤野さんの発言はフォローしてて、ちょっとファンみたいなところもあるので(「ひふみ投信」もちょっとだけ持ってますw)、この作品も読ませてもらいました。


「日経平均10万円」
う〜ん、新NISAを睨んでのウリかもしれないけど、ふっかけるな〜
…と思わなくもなかったんですが、そう言うスタンスではなかったです。
基本的には


①これからの時代は「インフレトレンド」になる
②日本株式市場のガバナンス改革でグローバル基準での評価が日本株にされるようになった
…と言う点から、「割安感」が解消される水準となり、世界的インフレトレンドに沿って伸びる。


と言う見立てですかね。


投資の世界は「先のことはわからない」ですけど、現場からの分析としてはそこまで突飛な話ではないです。
「伊藤レポート」「スチュワードシップ・コード」「コーポレートガバナンス・コード」の「新・3本の矢」による上場企業と株式市場の本格的改革の話なんか興味深かったです。
年末から年始にかけての松本人志さんの案件なんか、真偽はともかく、まずはスポンサーがリアクションしたってところがあって、ちょっとその流れを感じさせるような気もしました。


もっとも「日経平均10万円」時代がハッピーかっていうと、「そんなことないよ」ってことも解説されています。
基本、インフレですからね。
資産持ちにはプラスになるけど、給与生活者には厳しい側面もある。
もちろん給与も上がるでしょうが、往々にして「後追い」ですからね。賃上げは。
業態ごと・企業ごとの「優勝劣敗」も激しくなってくるでしょうから、高度成長期のような「全員の給料が上がる」…ってのも期待し難い。
「だから少しでも投資を…」
と言うのが藤野さんのアドバイス(主張)でもあるわけですが。


本書の後半は、
「ひふみ投信」の今後の方針
みたいな内容。
日本の株式市場の改革を踏まえ、大企業も視野に…ってのも興味深いですが、より面白かったのは、chatGPT等の生成AIの投資分野への進出を踏まえて、アクティブ・ファンドとしての<立ち位置・特徴>を明確にしようとするあたりでした。
ここら辺、「ファンベース」的な考え方で、そのために「ひふみ目論見倶楽部」という情報発信・共有サイトを立ち上げたりされてるんですが、単純に「勝ちに行く」だけじゃなくて、こういう<色>をつけるってのは興味深い(もちろん最終目的は「勝つ」ことなんですが)
今の投資の主流は「インデックス・ファンド」だと思うんですが(しかも積立)、ここに対するアンチテーゼみたいなものも感じます。
この投資方針で藤野さんは亡くなられた山崎元さんとは対立してましたから。
もっともどちらも「人間の未来を信じる」って言う点では共通してるんですけどね。
「長期投資」って、結局はそういう楽観主義(オプティミズム)がベースにあると思っています。


藤野さんファンなら、今の藤野さんの立ち位置や考えをさらうのにちょうどいい作品かと思います。
そこまでじゃないなら「ひふみ目論見倶楽部」にアップされてるe-bookを読んだんでOKではないかと。
サイトの安宅和人さんとの対談とかも、面白かったですよ。

 

#読書感想文

#日経平均10万円時代が来る

#藤野英人