鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

上田秀人パラレルワールド?:読書録「隠密鑑定秘録 退き口・恩讐」

・隠密鑑定秘録 退き口・恩讐

作者:上田秀人

出版:徳間時代小説文庫

f:id:aso4045:20230122085941j:image


弾丸帰省の間に読み終えて母に置いて帰るための「上田秀人」本w。

「奥右筆秘帳」の外伝を読んだ流れで、同じく将軍・徳川家斉の時代を舞台にした新シリーズの1巻・2巻に手を出してみました。

 


「奥祐筆秘帳」が家斉が将軍のなってしばらく経っての時代を描いている(田沼意知の死後)に対して、本作は将軍継承前後からスタート。

「なるほど。<奥右筆>シリーズの前の話みたいなもんか」

と思って読み出したんですが、ど〜も違うような…。

2巻の終わりに、前将軍・家治の嫡子・家基の死の話が顔を出すのですが、「奥右筆」シリーズとは違う「裏」が指摘されています。

作者は同じだけど、これは「お江戸パラレルワールド」なのかしらん?

(まあ、この後どう展開するかわかりませんが)

 


本作の主人公は小付目付という役職で御家人の身分。

今まで読んだ上田作品では一番身分が低いですかね。

身につけた技は「忍」に近く、したがって戦いも忍び同士のものが中心になります。

上田作品の忍の戦いは好きなので、楽しませてもらえそう。

…なんですが、肝心の家斉から下された「密命」(大名・旗本の中から家斉の腹心候補を探し出す)の方は2巻でようやく取り掛かれたくらい。

シリーズが長くなるのか、どっかで「密命」の方が方針転換されるのか。

さてさて、どうなりますやら。

 


#読書感想文

#隠密鑑定秘録

#退き口

#恩讐

#上田秀人