・殺し屋、続けてます。
著者:石持浅海
出版:文春文庫
「殺し屋」を探偵役にした「日常系ミステリ」。
前作「殺し屋、やってます。」に続いてのシリーズ第2作です。
「経営コンサルタント」をオモテの職業とする主人公の他に、「アート系の通信販売」を本業とするシングルマザーの「殺し屋」が登場
…というのが本作の「目玉」なんですが、特段彼らが殺し合ったり、ターゲットを奪い合ったりするわけでもなく、あくまでも「日常系ミステリ」が続く…ってのが「らしい」といえば、「らしい」。
僕はこの新しい「殺し屋」、キャラとしては好きなんですが、(性別・オモテの職業は別として)主人公と「殺し屋」としての仕事の仕方に明確な区分がされてなくて、「ちょっとでどうかな?」と思わなくはないです。
そっちをやりすぎたら、シリーズとしての「良さ」が減っちゃう…ってのがあるかもしれませんが。
短編7作。
連作でもないですが、それぞれの作品に細かい工夫があって、相変わらず楽しませてくれます(一番わかりやすいのは「語り手」の変化)。
「商売敵」を展開に深く絡ませてシリーズに大きな変化を…よりは、今の延長線上で、小粒ながらも読ませる「日常系ミステリ」の短編を続けてくれる方が、僕としてはありがたいですかね。
その希望・予想を上手いこと覆してくれるなら、それはそれで嬉しいんですけど。
続編が出たら、多分読むと思います。
ま、文庫になってからかもしれませんがw。
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