鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

彼らの「その後」が知りたい:読書録「マカロンはマカロン」

・マカロンはマカロン

著者:近藤史恵

出版:創元推理文庫(Kindle版)

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「サクリファイス」シリーズの近藤史恵氏の「日常ミステリー」シリーズ。

<ビストロ・パ・マル>を舞台に、三舟シェフを探偵役としたこのシリーズ、「サクリファイス」シリーズより好きかも。

 


本作はシリーズ3作目。

8つの短編が収められています。

どれもスッと読めてしまう、程よい長さと味わいの作品。

でも読み終えて、

「この人(たち)、この後どうなったのかな?」

と思わせてくれるところがあります。

せめて書き下ろしを一編入れて、そこら辺のフォローを…とも思わなくもないんですが、ビストロでの<束の間>でのドラマに限るあたりが、シリーズの「品の良さ」でもあるんですよね。

 


どの作品もいいんですが、時代性の一端を見せてくれる表題作(マカロンはマカロン)が一番好きかな。

女性の友情を描いた「タルタルステーキの罠」から「ヴィンテージワインの友情」への流れも気持ちいいです。

 


最新作ではどうやら、コロナ対策下の<パ・マル>を描いているようです。

「日常ミステリ」には、世界観としては浮世離れなイメージもあるものが多いんですが、ある種の気持ちの良いコミュニティ(パ・マル)を描きながら、「時代」の風もチャンと吹かせるあたり、良いですね。

 


次も楽しめそうだな〜。