鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

老人本。まだ読む気にはならないんだけどなぁ:読書録「老いを読む 老いを書く」

・老いを読む 老いを書く
著者:酒井順子
出版:講談社現代新書

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「負けの遠吠え」で30代未婚、子供なしの女性の生き方について描いた酒井順子さんの新作。
「老い」ですか。
最近の堺さんの作品は、エッセイよりもちょっと資料をまとめたような作品が多いんですけど、本作でも主に戦後の「老人」を描いた作品を取り上げ、どのように老いが描かれてきたのかを論じています。
酒井さんも58歳ですからね。
そして戦後の老人小説のハシリとなる「楢山節考」で、母親が山に向かったのは69歳…。
「負け犬」とか言っとる場合ではないですわな。


<概要>
酒井順子さんの『老いを読む 老いを書く』は、日本が世界トップクラスの高齢化社会であり、「老い本」大国である現状を背景に、人々の老後への不安や欲望に応える書籍を取り上げています。本書では、「老後資金」「定年クライシス」「人生百年」「一人暮らし」「迫りくる死」などのトピック別に、昭和の名作から近年のベストセラーまでを厳選し、日本の老いに関する精神史を鮮やかに読み解いています。

また、老い本の需要が高まる中、高齢者自身が著者となり、同世代の気持ちを反映した内容が多くの読者に支持されている現象にも触れています。これにより、日本の高齢者や高齢化の現状と未来を考察することができます。

 

目次は以下の通りです:
•はじめに 「老い本」大国ニッポン
•第一章 老いの名作は老いない
•一 迷惑をかけたくない──『楢山節考』
•二 いつか、自分も──『恍惚の人』
•三 マンガが見つめる孤独──『いじわるばあさん』
•四 古典の老いと理想──『竹取物語』『枕草子』『徒然草』『方丈記』
•第二章 老いをどう生きるか
•一 百歳の人間宣言
•二 定年クライシス
•三 六十代──老人界のフレッシュマン
•四 「乙女老女」は未来志向
•コラム 老い本ブームの先陣を切った二冊の「新しさ」
•第三章 老いのライフスタイル
•一 一人暮らし
•二 おしゃれの伝承
•三 おばあさんと料理
•四 田舎への移住
•コラム 高齢者の「迷惑恐怖」を煽る終活本
•第四章 老いの重大問題
•一 金は足りるのか
•二 配偶者に先立たれる
•三 「死」との向き合い方
•四 老人と性
•おわりに 老い本は不安と希望のしるし──ぴんころ地蔵と姨捨山を訪ねて
•老い本年表

このように、『老いを読む 老いを書く』は、老いに関する多角的な視点を提供し、老後を迎える方々やその予備知識を得たい方々にとって、深い洞察を与える一冊となっています。

(ChatGPTサーチ)


「老人」と言えば、最近の流行って感じもあるんですけど、それはまあ高齢化社会が進んで読む側も書く側も高齢者が増えたって言うので間違いないんですが、こうやって振り返ってみると結構昔から「老い」に関する本ていうのは出版されてるんだなぁって言う気もします。
そしてその中心になるのは、どちらかと言うと女性の方が多い。
もちろん老醜描いた小説なんかは、どちらかと言うと男性作家の方が有名なような気がしますが(谷崎潤一郎とかね)、ライフスタイルとかノーハウなんていうのは女性が書いたものの方が多いように思います。
男性が書いたのももちろんないわけじゃないんですけど、なんかちょっと説教臭いというか、なんというか…w。
昭和のおじさん(おじいさん)が書いたもんですからね。
なんかそういう気配のもんになっちゃってます。


ただまぁこれも変わってくるだろうというのが、酒井順子さんの読みでもあります。
もうすぐ60歳になる僕から見ても、僕の同年代なんか料理とか普通にする男性は少なくないですからね。
そういう人が高齢者になってエッセイとか書くようになったら、今の女性が書いている老人本に近いスタンスのものになるんじゃないかって言う気もします。
あ、でももしかしたら「本」って言う形は取らなくなっちゃうかもしれないなぁ。
YouTubeとかに流れるような気がしなくもないですね。


数日前、僕は初めて電車の中で若い人に席を譲られたんです。
ちょっとショックだったけど、そういう年になったって言うことなんだよなぁ。
まぁおとなしく座りましたけど、
その自分の感覚で言うと、まだ「老人本」を書くような気分じゃないっていうのもあります。
今だとやっぱり80歳位にならないと「老人」としての付加価値がつかないっていうのがあるのかな?w
とすると、あと20年後か…。
どんな老人エンタメが出てくるんだろうなぁ。その頃には


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