鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「犯罪心理捜査官セバスチャン」

・犯罪心理捜査官セバスチャン<上・下>
著者:ミカエル・ヨート、ハンス・ローセンフェルト
訳:ヘレンハルメ美穂

犯罪心理捜査官セバスチャン 上 (創元推理文庫)

犯罪心理捜査官セバスチャン 上 (創元推理文庫)

犯罪心理捜査官セバスチャン 下 (創元推理文庫)

犯罪心理捜査官セバスチャン 下 (創元推理文庫)



「面白い」との評判は聞いてたんですが、思ってたよりも面白かったですね。
「ミレニアム」「特捜部Q」シリーズと、「北欧ミステリ」は絶好調ですが、それにまた一シリーズ付け加わったようです。


印象としては「特捜部Q」に近いですかねぇ。
ストーリーの中心となる事件は極めて陰惨で、その真相も陰鬱。
でも物語に絡む人々の人間模様が何処か人間臭くって引き込まれる。
ま、「特捜部Q」の方がコミカルさでは上でしょうが、本作の主人公「セバスチャン」のオフビートぶりも相当なものだとは思います。その裏には深刻な背景もあったりするわけですが…。


家族、親子の関係、女性の孤独、喪失と再生


本作のテーマとなっているものは結構重く、考えさせられることも少なくありません。
普通の小説だったら、これは「眉間に皺を寄せて」登場人物たちが対峙する物語となるでしょう。
そこを「セバスチャン」というイカれた主人公に担わせながら、それでいて感動すら覚えさせるという展開。
作者はベテラン脚本家のコンビらしいですが、「さすが」です。


当然のようにシリーズ化されてて(このラストで放り出されたら、たまりません!)、早々に二作目も翻訳されています。
続きが気になる!