読書録「犯罪心理捜査官セバスチャン 模倣犯」

・犯罪心理捜査官セバスチャン 模倣犯＜上・下＞
著者：ミカエル・ヨート、ハンス・ローセンフェルト 訳：ヘレンハルメ美穂
出版：創元推理文庫（Kindle版）

模倣犯〈上〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

模倣犯〈下〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

前作が実に面白かったので、そのまま続編に突入。平日だったので「一気に」とは行きませんでしたが、割りと睡眠時間を削ってしまいましたw。

まあ「面白い」のは間違いなし、です。
前作の「へえっ」て引きを受けて、物語は新たな展開をします。どの程度前作を書いている時に伏線を張る意図があったのかはわかりませんが、
「こう来るか」
って感じにはなりました。
女ったらしのセバスチャンなんで、
「おや、どうしてこの人は…」
と前作で思わないでもなかったところも、本作ではしっかりフォロー。後々の「火種」が窺えますw。

ま、基本はセバスチャンの「自業自得」物語w。本作は「モロ」にそういう展開です。
ちょっと残念なのは、セバスチャンの「有能ぶり」があまり窺えない展開になってるとこでしょうか（さすがにラストにはありますが）。「人間らしい」と言えば「らしい」んですが、どこかでそこが吹っ切れちゃうってキャラ設定をもう少し前に出したほうが、物語の推進力は増すのではないか、とも。
そうなると「人でなし度」が1ランク上がっちゃいますけどね。

とりあえず大きな危機を乗り越え、個人的な人間関係も前進…と思わせたところで、ラストは不穏な引き。
これがまた「自業自得」ネタでありまして…w。
さて、次はどうなるか…と楽しみであります。