鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

2023-01-01から1年間の記事一覧

「どこまでやられたら死ぬのか」のバーが見えない:映画評「タイラー・レイク命の奪還2」

ラストの解釈をどう見るかを観客サイドに委ねた前作の締めは結構好きなんですが、続編はストレートに「その後」でした。 <前日譚>って説もあったんですけどね。 ルッソ兄弟製作(脚本ジョー・ルッソ)のNetflixオリジナル・アクション映画の第2弾。 ルッソ…

読書録・映画評等以外はこちらにもアップしています。

思うところあって、notesの方にもアップしています。 いつか整理するかも…ですが。 https://note.com/suzumaro

反抗期の娘の態度にイラッとする…のは製作者の思う壺w:ドラマ評「彼が残した、最後の言葉」

「Apple TV+史上最も見られたリミティッドシリーズ」という記事を読んで、気になって第1話を視聴。 そのまま2日間で最後まで見てしまいました。 https://dramanavi.net/articles/214575 1話40分弱×7話…ってのが丁度良い長さだったってのもありますかねw。 …

家族のメンバーがどんどんヒーローになって行きます:映画評「アントマン&ワスプ:クアントマニア」

元々、初代アントマンがマイケル・ダグラス演じるハンク。 その妻ジャネット(ミシェル・ファイファー)が初代ワスプ。 その2人の娘ホープ(エヴァンジェリン・リリー)が2代目ワスプで、その恋人スコット・ラング(ポール・ラッド)が2代目アントマン。 …っ…

「空飛ぶ自動車」も「アンドロイド」も、実現にはまだ時間が掛かりそうだけど:読書録「SF超入門」

・「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門 著者:冬木糸一 出版:ダイヤモンド社(Kindle版) 「未来」を考える時、<SF小説>に触発されたり、参考にしたりするイノベーターは少なくない。 人間は「人間が考えたこと」しか作り出すことはでき…

こんな話だっけ?:映画評「ブレット・トレイン」

伊坂幸太郎「マリアビートル」を原作に、「アトミック・ブロンド」「デッドプール2」のデビット・リーチ監督/ブラッド・ピット主演でハリウッド映画化した作品。 「マリアビートル」は読んでると思うんですが… こんな話でしたっけ? 東京から京都へ向かう新…

「犯人探し」ではなく…:読書録「黒い海」

・黒い海 船は突然、深海へ消えた 著者:伊澤理江 ナレーター:北方李奈 出版:講談社(audible版) 少し前に発売されて(2022年12月発売)、評判を聞いて、「どうしようかなぁ」と思ってたんですが、audibleになったのを知って、DL。 割と一気に聴き終えて…

最後の最後、あの局面で、「残ってくれ」という命令を出せるのか:ドラマ評「THE  DAYS」

」<事件後の吉田の証言は「吉田調書」として発表された 東京電力のまとめた「福島原子力事故調査報告書」とともに 世界に類を見ない原子力事故の貴重な資料として検証が続けられている ジャーナリスト門田隆将は あの日、福島第1原発で事故対応に当たった90…

こう言う文章は生成AIでは書けないだろうなぁ:読書録「さよなら、愛しい人」

・さよなら、愛しい人 著者:レイモンド・チャンドラー、訳:村上春樹 ナレーター:古屋敷悠 出版:早川書房(audible版) 「さよなら、愛しい人」 「さらば愛しき女よ」 …まあでも、 「Farewell,My Lovely」 には勝てませんな。 村上春樹訳では三度目? も…

「子育て刑事」シリーズとかになるのかなw:読書録「育休刑事(諸事情により育休延長中)」

・育休刑事(諸事情により育休延長中) 著者:似鳥鶏 出版:角川文庫 妻が警察庁のキャリア課長。 夫は巡査部長で、夫の方が育休を取得して1歳の息子の面倒を見ている。 …という設定の連作ミステリー。(4篇収録) 法医学者をやってる夫の姉がナカナカ飛んだ…

新宿鮫シーズン2…って感じなのかな?:読書録「暗約領域」

・暗約領域 新宿鮫Ⅺ 著者:大沢在昌 ナレーター:祐仙勇 出版:光文社(audible版) 前作(絆回廊)で桃井が殉職し、晶とも別れた鮫島。 「10作も付き合ったし、そろそろいいかな」 って気持ちもあって、出版時には続編の本作には結局手を出しませんでした。…

入門+α…くらいかな?:読書録「AI  DRIVEN」

・AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方 著者:伊藤穰一 出版:SBクリエイティブ(Kindle版) 伊藤穰一さんのPodcast「JOI ITO変革への道」でChatGPTを取り上げてるパート(2023年4月)が面白かったので、ちょうどタイミングよく発売された本書を購入。 伊藤…

「自分」を縛るのは「自分」:読書録「コメンテーター」

・コメンテーター 著者:奥田英朗 出版:文藝春秋 「トンデモ精神科医・伊良部一郎」シリーズ、17年ぶりの新刊。 …ですが、内容は相変わらず。 楽しませてもらいました。 基本的、精神科医としての伊良部は「知識と経験はある」。 彼のところに通ってくる患…

コメディかと思ってたら…:映画評「キル・ボクスン」

<暗殺業界にその名をとどろかす伝説的な殺し屋も、家に帰れば10代の娘をもつシングルマザー。そんな彼女にとっては、殺しより子育ての方が何倍も難しい。>(Netflix作品説明) なるほど。 冷徹で有能な殺し屋が、家庭では娘に振り回される、そのギャップを…

アクションと嘘のてんこ盛り:ドラマ評「シタデル」

「アベンジャーズ」シリーズのルッソ兄弟が製作したAmazonプライム・オリジナルのスパイ・ドラマシリーズ(全6話) ルッソ兄弟はNetflixでは「グレイマン」を作ってましたね。 国家の枠組みを超えたスパイ組織「シタデル(CITADEL)」。 彼らは高い技術力と…

絵面(LOOK)はホントいいです:映画評「レジェンド&バタフライ」

Prime Videoで視聴。 興行成績は微妙な感じだったのかな? 「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督らしく、LOOKは良いんですけどねぇ。 語り尽くされた感のある「織田信長」の物語をどう語り直すのか。 信長と濃姫(帰蝶)の「愛の物語」 …ってのは悪くない…

2041年には76歳。さて、こう言う社会を楽しめるかな?:読書録「AI2041」

・AI2041 人工知能が変える20年後の世界 著者:カイフー・リン、チェン・チウファン 訳:中原尚哉 出版:文藝春秋(Kindle版) Googleの中国社長だった投資家「カイフー・リン」と、中国の新鋭SF作家「チェン・チウファン」が、現時点の技術革新の状況を踏ま…

久しぶりに読むと、やはりその「上手さ」に感心させられます:読書録「ぼんぼん彩句」

・ぼんぼん彩句 著者:宮部みゆき 出版:角川書店 宮部みゆきさんが友人と作っている「BBK」という会で句会をするようになって、そこで披露された作品をベースに「短編小説」を書いてみた…という作品。 「BBK」はもともと「ボケ防止カラオケ」でカラオケをす…

あの「上野千鶴子祝辞」を聞いた東大生たち…と言うのが興味深いw:読書録「東大生、教育格差を学ぶ」

・東大生、教育格差を学ぶ 編著:松岡亮二、高橋史子、中村高康 出版:光文社新書(Kindle版) コロナ禍になって、個人的に「格差」の問題は気になるテーマになっています。 ある程度のことは知識としてあると自負していたのですが、現実はもっと厳しいのだ…

個人的に大河ドラマ(どうする家康)の副読本になってます:読書録「足軽小頭仁義」

・三河雑兵心得3 足軽小頭仁義 著者:井原忠政 ナレーター:柏野昌俊 出版:双葉文庫(audible版) 大河ドラマ「どうする家康」の先々週・先週放映で三方ヶ原合戦が描かれました。 夏目広次の死には泣かされた〜。 …と言うわけで、家康の部下が足軽から成り…

寡作な作者さんのようで、全然知らなかったんですが、かなりレベル高いです:読書録「残月記」

・残月記 著者:小田雅久仁 ナレーター:岡井カツノリ 出版:双葉社(audible版) 少し前に評判になったSF作品。(吉川英治文学新人賞、日本SF大賞受賞) 「月」をテーマにした短編集…というか、短編2篇と中編1篇ですね。それぞれ独立した作品になっています…

志は高い本だし、岡田さんのスタンスは買います:読書録「教室を生きのびる政治学」

・教室を生きのびる政治学 著者:岡田憲治 出版:晶文社 「なぜリベラルは敗け続けるのか?」「政治学者、PTA会長になる」の岡田憲治さんの最新作。 バリバリ「リベラル」の岡田さんですが、立憲のテイタラクに悩んで書いたと思われる「なぜリベラルは〜」で…

区切りですらなく後編待ち…:映画評「東京リベンジャーズ2 運命」

2年前の前作を家族で見に行ったんですが、予想以上にみんな楽しんだので、続編も家族で。 上映時間90分。 まったく退屈せず、惹き込まれて見てたんですが、 「え?ここで?」 って感じで前編終了。 まあ、6月末には後編(決戦)が公開されるんで、少し待…

とにかくエスハチが美しい…:ドラマ評「グレースの履歴」

高評価のネット評を見かけたので、気になってNHKオンデマンドで視聴。 3日で8話を見終えてしまいましたw。 「源孝志」さんという演出家が原作を数年前に書いてらっしゃったようで、今回のドラマ化の脚本・演出もご本人がなさっています。 主演は「滝藤賢一」…

「ミステリー」の部分は弱いけど、そこを楽しむ作品じゃないか:読書録「15歳のテロリスト」

・15歳のテロリスト 著者:松村涼哉 ナレーター:岩端卓也 出版:KADOKAWA(audible版) 「少年法」の厳罰化をテーマに展開するミステリー。 祖母と妹を殺された少年 兄が殺人を犯した少女 恋人を殺された記者 少年と記者の視点から交互に描かれるスタイルと…

リアル本で読むのがオススメw:読書録「ふしぎな中国」

・ふしぎな中国 著者:近藤大介 ナレーター:住谷哲栄 出版:講談社現代新書(audible版) 講談社の記者(一時期、講談社の中国の子会社のトップだったりもするけど)が中国の「今」を紹介する作品。 天安門事件以降、中国にこだわって追いかけてきた方のよ…

ロケットのつぶらな瞳にやられまくり:映画評「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME3」

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」3部作の完結編。 …って言ってもストーリー的にはこの3作だけじゃ「?」なところがあって、「アベンジャーズ/インフィニティウォー、エンドゲーム」は観ておいた方がいいんですけどね。 (エンドゲーム後の「ソー」に…

大物を揃えて、こう言うアホな映画をシレッと作っちゃうところがなぁ…:映画評「ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード」

ライアン・レイノルズ、サミュエル・L・ジャクソン共演のアクション・コメディ「ヒットマンズ・ボディガード」の続編。 題名の通り、前作のコンビニ加え、サミュエル・L・ジャクソンの妻役サルマ・ハエックが主人公格に格上げとなります。 …っつうか、実質「…

キャプテン・アメリカがヘタレ男になって右往左往:映画評「ゴーステッド」

「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンスと、「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」でボンドガールでスパイを演じたアナ・デ・アルマス主演の、Apple TVオリジナル映画。 CIAの凄腕スパイ(アナ)が、自分の生き方に迷いを覚えている時に、ファーマーズ・…

まだ日本はここまで極端なことになってはいないと思いたいけど:読書録「『傷つきました』戦争 超過激世代のデスロード」

・「傷つきました」戦争 超過激世代のデスロード 著者:カロリーヌ・フレスト 訳:堀茂樹 出版:中央公論新社(Kindle版) 岩田健太郎さんがFBで紹介されてたのを見かけて購入した作品。 「アイデンティティ至上主義」や「犠牲者至上主義」に対する強い危惧…