・養父母の介護
著者:村井理子
出版:新潮新書
翻訳家で滋賀在住の村井さんによる介護報告エッセイ(?)。
村井さんのことは「滋賀でゴールデンリトリバーを飼ってる翻訳家」として知っててw、犬関係の著作を読んだことがあります。
村井さんは日記のようなものを連載されているので、そこから介護関係の記載をピックアップした感じでしょうかね。
義母の認知症が八年前に始まり、義父も五年前に脳梗塞で倒れた。 結婚以来そりが合わなかった姑と舅だが、「私がやらなければ!」と一念発起。仕事と家事を抱えながら、義父母のケアに奔走する日々が始まった――
しかし、急速に進行する認知症、介護サービスを拒絶する義父に翻弄され、やがて体力と気力は限界に。介護は妻の義務なのか? 夫の出番は? 最初の一歩から悪徳業者との闘いまで、超リアルな介護奮闘記!
(袖より)
帯に「ホンネ150%/キレイごとゼロ!」…とありますが、まあまあ正直に心情吐露されてるのは確かです。
実父母じゃなくて、養父母なのである程度の精神的距離感を持ててるってのはあるんでしょうが、介護への関与の仕方は相当に高い。
高いんだけど、色々あって…
っと、揺り戻しが何度かあったりするのも書かれてるあたり、ベースが「日記」っていうのがあるからかもしれません。
まあ、書きっぷりがウェットじゃないので、スルスルと読むことができます。
結構笑っちゃうところも少なくないんですけど、背景はシリアスだし、そこら辺がホラーにもコメディにもなっちゃう…って感じです。
僕が手に取った動機は、今故郷で一人暮らししている母(84歳)のことを考えて…ってのはもちろんあります。
認知症は始まってないとは思うんですが、足腰はだいぶ…。
耳の聞こえが悪いのも懸念なんですよね。
本書ではケアマネさんとのやりとりやデイサービスの利用に関しても色々書かれているので、
「なるほどなぁ」
って思うところはありました。
まあ、同じようにはならないにせよ。
でも読んでるうちに考えるようになったのは「自分のこと」でもありました。
自分と妻のこと。
…いつかは自分たちにも来る未来だよなぁ…と。
それがどんな風に来るのかはもちろん分からないんだけど、<今>と同じ未来があるわけじゃないんだろうな、と。
そのとき、どういう形でその未来を迎えることになるのか、迎えればいいのか。
一番困るのは、
「自分で選択肢を選べるわけじゃない」
ってことだよなぁ。
どうなるかなんて、分かんないもん。
とは言え、「その日」はどういう形であれやってくる。
母にも、妻にも、僕にも。
少なくとも考えられること、できることは、少しずつでもやっておかなきゃな。
…とかいって、最初に思いつくのは「ダイエット」になっちゃうんだけどねw。
これがなかなか……