鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

演出を極めると、テンポが遅くなると?w:映画評「スカイ・クロラ」

押井守氏が著書(「誰も語らなかったジブリを語ろう」)に中で自分の演出の最高作品として挙げていた「スカイ・クロラ」をようやく観ました。
ちょっとキャラデザインが今ひとつピンとこなくて、結局見逃してたんですよね。
でも「最高」とまで言われちゃうと観ないわけには…(huluにあったしw)。


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たしかに演出のレベルは高いかな。
ちょっとした表情や仕草、タバコの扱い、画面構成etc、etc…
ただそれを見せるために、なんとなくテンポが落ちてるような印象があります。
スカイ・クロラ」を見る前に、本人云く「最高作」である「イノセンス」も見返したんですが、こちらも「ちょっとテンポがなぁ」と初見の時に思ったのを思い出しました。
スカイ・クロラ」の方は、さらに輪をかけて…って感じ?


じゃあ、面白くないか、と言うとそんなこともなくて、「もっと前に観ててもよかったな」が観終わった時の感想です。
ショートカットの娼婦は結構好みのキャラでしたしw。
ストーリーは「よう分からん」でしたが、まあ「押井守」ですから。


ただCGのバランスはちょっと気になりました。
これは趣味の問題かもしれませんが、僕は「ちょっとやり過ぎかな」と。
それはちょっと「イノセント」の時にも感じてて、だからってわけでもないんですが、僕個人の押井守作品の好みは、
「パトレーバー2」「攻殻機動隊」「イノセント」「ビューティフルドリーマー
の順。
「オンリー・ユー」は<別格>で(これは個人史に関わるので。「カリオストロ」みたいなもんですw)、実写映画は「ランク外」w。
スカイ・クロラ」は「ビューティフルドリーマー」の次って感じですかね。「天使のたまご」や実写映画よりは好きです。


正直、「万人受け」はしないでしょうし、「演出」にこだわった押井氏の映画観については違和感も感じました(これは「ジブリ映画評」にも通じるものですが)。
でもまあ、「イノセンス」が好きな人には許容範囲なんじゃないかなぁ。


ちなみに「イノセント」。
見直して、個人的には好感度がぐっと上がりましたw。
数年後に「スカイ・クロラ」を見直したら、また評価は変わってるかな?