・市川崑と「犬神家の一族」
著者:春日太一
出版:新潮新書

- 作者: 春日太一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/11/13
- メディア: 新書
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時代劇・映画史研究家の春日氏による「市川崑」論。
前半で一通り「市川崑」の作品歴をフォローして概論を論じてくれていますが、メインは「犬神家の一族」。石坂浩二のロングインタビューと合わせて、これが「読みどころ」となっています。
僕は作者より少し年上になるので、ギリギリ「金田一耕助」シリーズにリアルタイムで触れている世代。76年の「犬神家の一族」は公開時には見てないかもしれませんが、角川文庫がオドロオドロしく横溝正史をプッシュしてたのはよく覚えています。
「犬神家の一族」も映画館で見た覚えがあるんですが、あれは「奥道後」に落ちてきたのを見たのかなぁ。
「悪魔の手毬唄」「獄門島」も見てますね。
「病院坂の首くくりの家」は見てないか。
だから「竹取物語」以降の、
「これはどうかなぁ」
って印象の市川崑も、もちろん分かるんですが、それ以上に「金田一耕助」シリーズの好印象が強いです。
石坂「金田一」はやっぱり素晴らしいと思いますよ。
なんで、本書も堪能させていただきました。
しかし一方での「吉永小百合」評は中々厳しいものがありますな。
「天使」の金田一=石坂浩二と、「悪魔」の…。
いや、フィルモグラフィーを見れば、否定しきれないものはありますがねw。
本書を読了後、huluに76年の「犬神家の一族」があったので、ザッと見させてもらいました。
おかげで頭の中をあの「テーマ」がリフレインしておりますw。
本書を読むとリメイク版を見る意欲は削がれますが、ラストシーンだけは見てみたいかな?huluかどっかで見れないものでしょうか?
(iTunesにはあるんですが、さすがにラストシーンだけのためにレンタルする気には…)