鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「その日のまえに」

・その日のまえに
著者:重松清
出版:文春文庫(Kindle版)



「死」を扱った重松清の連作短編集。
「妻の死」をテーマとする「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」を中核に、どこかで関連する4つの短編が併せて収められています。
確か映画やドラマにもなってるんじゃないですかネ。
比較的評判の良い作品だと思います。



まあ、でも泣かされましたよw。
「その日」シリーズは事前に情報も入っていたので、それほどでもなかったんですけど(それでも何度か「うっ」)、ソレ以外で何度か「やられ」ました。



小学生の頃の同級生の「死」を思い出す「ひこうき雲」
告知を受けたことで、かつて海で行方不明になった同級生とその両親のことを思い出す「潮騒」



特にこの二つはツボでしたね。



「小学生」が出てくるのに「やられ」てるのは、自分の子供が今、小学生・・・っていうのもあるんでしょうか。
そういう重ね方はしてないんですが、何か琴線に触れるもんがあるのかもしれません。



「重松清」って、「達者な作家」とは思ってるんですが、あまり追いかけてる作家には入っていません。今更追いかけるには作品数が多すぎるってのがありますがw。
(そういうことを意識するところに、自分の歳を痛感します。
本好きの息子はそんなことは全く考えてないでしょうw)
それでも時折評判の作品を何かのキッカケで読むと、
「さすがだな」
と思わされることが少なくないですねぇ。
そういう作家がいるってのは、まあ幸せなことですね。



何にせよ、本作。
通勤電車等での読書はオススメしませんw。