鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

木下恵介をもう少し知らないと・・・:映画評「はじまりのみち」

「クレヨンしんちゃん」の映画監督として名をあげ、「河童のクウ」という佳作もある原恵一監督による実写第一作。
それなりの評判も聞いてました。




「はじまりのみち」


丁寧に作られた作品なのは分かります。
役者もいい。
戦時下で思う映画を作れない木下惠介を現場に戻すキッカケもナカナカいいんじゃないかと思います。
ただ「木下恵介」作品を一定数は観てないと、これは入り込めないなぁ。


キーとなる「陸軍」という戦時中の映画からの引用が長過ぎるとか、ラストの木下作品の一部の羅列がオリジナリティを損ねてるとか、主に木下作品の引用のことで批判される作品だと思うけど、個人的にはそれはいいと思います。
「陸軍」はあれくらいやらないと伝わらないでしょう。


ただあんまり木下作品を見てない身にとっては、ラストの作品の羅列は、ある意味、
「ポカーン・・・」
通してみたことあるのは「二十四の瞳」くらいですからねぇ。
そしてそういう人は少なくないでしょう。
僕の下の世代になれば尚更に。
そういう意味で、
「マーケットはどこ?」
って映画なような気がします。
で、残念ながら僕はその「マーケット」にはなりえない・・・と。



悪くはないんですがねぇ。