鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「続・風の帰る場所」

・続・風の帰る場所 映画監督・宮崎駿はいかに始まり、いかに幕を引いたのか
著者・宮崎駿
出版:ロッキング・オン



「ポニョ」から「風立ちぬ」まで、CUTに掲載された4本のインタビューに、「コナン」やカリオストロ」の頃までを語った過去のインタビューを2本再録した作品。
半分は雑誌やら元の作品で読んだことがあったかな?



CUTインタビューについては相変わらずの渋谷陽一の「決めつけ」ぶりが鼻につくw。
まあそれは宮崎駿も分かってて、いなしたり、乗ったりしてるんだけどね。
「引退」が発表されて、改めて読み直すと…ってのは確かにあるけど、鼻につくのは変わりないですな。



むしろココまで来たら「引退宣言」後のインタビューを入れるべきだろう。
それが結構難しいのも分かるけどw。
最低でも鈴木Pくらいは…って気持ちは強く残る。
区切りがついてる感じがあんまりしないんだよね。
「まだ区切りじゃない」って読みがあるのかもしれんがw。



その「埋め草」的に収録された過去のインタビュー。
「インタビュアーが渋谷陽一じゃない」ってのもあるかもしれないけどw、これが思いのほか面白かった。
間違いなく僕は発表当時に両方とも読んでるはずなんだけど、ここまで来て振り返って読むと、考えさせられることも少なくない。
ま、一言で言えば、
「宮崎駿ってのはアニメーターなんだなぁ」
ってことかな?



ずーっと本人はそういってて、CUTでのインタビューでも何度も言及してるんだけど、それでもここに至れば、「宮崎駿」という存在にある種の「思想性」が張り付いてくるのはやむを得ないだろう。
「エコおやじじゃないんだ」
ってのは、「その通り」とは思うけどねw。
それが過去のインタビューを振り返ると面白いくらい感じられなくて、そこに「アニメーション」に向かい合い、格闘する一人の優秀なアニメーターの姿が見えてくる。
「これこそが宮崎駿なんだな」
・・・と。
そういう意味じゃ、「いかに始まり」って副題は悪くないかも。



ま、相変わらず読み手を選ぶインタビューではあるかもしれません。
でも「コレ以降」ってのも出来れば読みたいなぁ。
「文化人にはならない」
と断言してるオッサン相手に難しいかもしれんけどねw。