鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

オーディオブックにすごくフィットする本なんじゃないかな:読書録「水の中の哲学者たち」

・水中の哲学者たち
著者:永井玲衣 ナレーター:永井玲衣
出版:晶文社(Audible版)

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もともとネット記事か何かで紹介されてるのを見てリアル本を購入したんですよね。
読みはじめたんですけど、なんとなくフィットしなくて途中で放棄
ある日オーディブルを見たらオーディオブック化されてるのを見て聞いてみることにしました。
ナレーターが著者ご本人でしたし。


読んでるとなんとなく合わない感じがしたのが、聞いてみると、これが面白い面白い。
するすると耳に入ってきてどんどん聞いてしまいました。
終わるのが惜しくなる位。
「哲学対話」の本ですからね。
オーディオブックの方が内容に合ってたんでしょうか?


とは言っても聞き終えてみても、何が書いてあったかはあまり覚えてないんですけどね。
作者の話を聞きながら面白がったり、ちょっと考えたり、しんみりしたり…でも何かが記憶に残ると言うのではない。
記憶に残るんじゃないんだけど「いいもの読んだなぁ」って言う感触は確かに残りました。
そういうのがいいんじゃないかなって言う感じもします。
いや単に僕が怠惰なだけかもしれませんが。


正解があるわけじゃない。
問いだけがある。
でもその問いは1人で抱えるものではなくて、誰かと共有することで対話が生まれ、その対話の中から何かが形作られる。
それは「正解」では無いけれども、対話を共有した人たちの中に確かに起こる何かである。


…みたいな感じでしょうか。
何度か紹介される小学校での対話の内容とかなかなか興味深いものがありました。


ちなみに、作者の文章で僕が1番気に入ったのはこれです。

<哲学は永遠にボケ続ける世界へのツッコミである>

確かにそんな感じじゃんw。


この作品以外に作者はまだ本を出されてないようです。
なんだか残念。
読んでみたかったのになぁ。
でもやっぱり読むよりは「聞く」かな。
新作が出て、それがオーディオブックになったらまた楽しませてもらいたいと思います。(是非ご本人のナレーターで!)

 

それともどっかのワークショップか何かで「哲学対話」に参加させてもらったほうがいいかな?