・アメリカの新右翼 トランプを生み出した思想家たち
著者:井上弘貴
出版:新潮新書(Kindle版)

トランプ政権が誕生してからまだ半年ぐらいしか経ってないのに、まあなんかもう毎日が大騒ぎって感じですよね。
騒ぎばっかりで大したことはできないんじゃないかと途中まで思ってたんですけど、イスラエルとイランの戦争を数日間で止めたりして、なんとなくそれなりに成果も出てる部分もあるかなっていうふうな気もしています。関税に関してはいろいろと揉めていて、まだイギリスとしか合意ができていないとか、はっきりとした成果が出てきてはいませんけど、その割には関税の適用には固執していて、それなりのそれをキーで動きも出ている。(日本も含めて)
これが一体どうなるかというのも無視できそうもない気がして来ています。
<現在のアメリカの新しい右派―――のちに本書で触れるが、それは第三のニューライト、あるいはシンプルにニューライトと呼ばれる――は、従来の右派とは異なりアメリカの思想的な基底である古典的自由主義にも懐疑の目を向け、よりナショナリズムを重視し、よりキリスト教的価値を重んじ、よりテクノロジーを受け入れ、より極右との親和性を強めている。このような右派の思想的な再編を捉えなければ、第二次トランプ政権の行く末は、十分に見定めることができない>
そういうこともあって、第二次トランプ政権が一体どういう性格の政権なのかなっていうのに興味が出てきて、その第二次トランプ政権を支える人々の思想的な側面を知りたくて読んでみたのがこの本です。
結果どういう感じになったかというと、まぁ結局「よくわからん」っていうのが結論ではあるんですけどw。
でもまぁパトリック・J・デニーンとかルノー・カミュとかあまり知らなかった思想家の内容なんかも割と整理されて知ることができましたし、ピーター・ティールとかバンスとの距離感なんかもなんとなく理解できたような気がします。
ハンガリーのオルバン政権の評価とかも興味深かったです。
とんでもね〜野郎と思ってましたからw。
個人的には僕は自分のことはリベラルよりの人間だと思っています。
その感覚から言うと、アメリカの新右翼の宗教的価値観のあたりには違和感を感じざるを得ません。
(これはリベラルというよりは日本人的価値観かもしれないけど)
ただまあ、リベラルに大きな問題があるっていうのも確かだとも感じてるんですよね。
こんなことを言うと、今の日本のリベラルからだと反動保守みたいなことを言われるっていう可能性はあって、そのこと自体が問題だと思っているんですけど。
一方でピーター・ティールとかイーロン・マスクのポジションである進歩的右派っていうのは、ある意味僕には近い感覚はなくはないです。(あそこまでクレイジーじゃないけどw)
ここら辺は、もしかしたら伝統的右派とは対立をしていく可能性もあって、どういう風になっていくかっていうのは見えないところはありますし、トランプのスタンスがどうなのかっていうのはよくわからないですね。
トランプ自身が最新の科学的な進展を理解しているともちょっと思えないですし。
ただ、それ以上に進歩という部分について、リベラルの方がかなり否定的になっているのは気になります。
もちろん、思想的な進歩、例えばLGBTQとか多様性とか、そういった点に関しては、リベラルの方が進歩的で、僕自身もその点に関しては賛同するところも多いんですけれども、テクノロジーという点に関する評価という点で言うと、最近のリベラルって結構後ろ向きですよね。
でも、これだけテクノロジーが進んでいる中で、そういうことに批判的で、一体どういう社会が構成できるのかっていうのは結構疑問だと思うんです。
さらに、本来寛容であるべきリベラルが非常に不寛容になってしまっているっていうのも問題でしょう。
まあ、右翼が不寛容っていうのは、それはそれでなんとなくわかるんですけれどもw、リベラルの方がそれ以上に不寛容になっているっていうのは、やはり問題なんじゃないかと思います。
そういう意味において、トランプ政権というのは結構問題だし、決して僕も賛同できないことは賛同できないんですけれども、じゃあ、リベラルのサイドを応援するかというと、なかなかそこまでいけないというのが、今の現状ですかね。
それは日本でも同じで、アメリカやヨーロッパまでの深刻な対立や分断は起きていないけれども、リベラル側の不寛容が、結果的にリベラルの先鋭化して支持を少なくしているんじゃないかという気配は持っています。
もっとも自民党の方も大してしっかりとはやれていないので、この夏の参院選なんかどうなるかっていうのは、読めないところはあるんですけどね。
これからの日本の10年後っていうことを考えたときに、あり得る姿として、読むのには結構興味深い作品なんじゃないでしょうか。
僕はかなり興味深く読むことができました。
それで「分かった!」とはなんないんですけど。

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