鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

率じゃなくて、数で考えるっていうことですかね?:読書録「縮んで勝つ」

・縮んで勝つ 人口減少日本の活路
著者:河合雅司 ナレーター:デジタルボイス
出版:小学館新書(audible版)

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「未来の年表」シリーズの河合雅司さんが、人口減少と地方創生について論じた新書。
河合さんご自身の作品も含めて、少子高齢化をテーマにした本は何冊も書かれているし、僕も読んできましたが、物価高に合わせて人材不足とが現実の中で実感されるようになってる中、改めてこの問題について整理をしておきたいと思って読んでみました。
Audibleになってましたから。
…聴き終えたら気持ちが暗くなっちゃいましたけどね。


サマリー
「直近5年間の出生数は毎年4.54%ずつ減少」
このペースで減り続ければ、 日本人人口は
50年で半減、100年後に8割減となってしまう。もはや少子化を止めることはできず、日本社会の激変は避けられない。 “不都合な現実”に対し、われわれはどうすべきか。
〈日本社会が目に見えて崩壊を始めている。要因は、言うまでもなく人口減少だ。
ところが、政府も地方自治体も対応がことごとく後手に回っている。 的を射ていない対策が幅を利かせ、効果が表れるどころか、むしろ状況を悪化させる政策も目につく。
もはや、日本の人口減少は止めようがない。100年もすれば日本人は8割近くも減る。 本来、 政府が取るべき政策は、この不都合な現実を受け入れ、人口が減ることを前提として社会を作り直すことである。
日本という国家が残るか消えるかの瀬戸際にあるのだ。われわれは大一番に打って出るしかない。\>
(「はじめに」より抜粋)

答えは、人口減少を前提とした社会への作り替えだ―
独自の分析で四半世紀前から警鐘を鳴らし続けてきた人口問題の第一人者が 「縮んで勝つ」という“日本の活路”を緊急提言する。

【編集担当からのおすすめ情報】
「合計特殊出生率1.20」「東京都は0.99」「出生数72.7万人」……急激な人口減少を象徴する統計が次々と公表されています。

著者の河合氏は、それらの最新統計をもとに新たな傾向を読み解き、独自の分析を加えて、“未来”を予見しようと試みます。そのキーナンバーの1つが、「出生数マイナ4.54%」です。この激減ペースが続いていくと、日本はいったいどんな社会になるのか──。その“不都合な現実”が、本書で明らかにされています。

ベストセラー『未来の年表』シリーズ著者によるこの最新刊を読まずして、これからの人口減少・地方再生問題は語れません。全国民必読の1冊です。
(Amazonより)


端的に言えば、
「現時点において心地数十年のスパンで考えれば、人口が減っていく事はもう避けようがない。
出生率の向上とか、移民対策とか、育児支援対策とか講じても、母数が急激に減っている以上、人口減少そのものを留める事は全くできない。
したがってこれから必要なのは人口が減ることを前提として、その減った人口でいかに社会を維持していくかと言うところにある。」
…まぁこんな感じですかね。
個人的には人口減少率を継続して適用して、人口減少を図ると言うのはどうかなと思いますが、人口減少そのものを留める段階には全くないと言うのはその通りだと思います。
その結果どういう数字になるかっていうのは…まぁ恐ろしい位ですね。


もともと河合さんは人口が減少することで、社会インフラの維持が難しくなると言うことを主張されていたと思います。
本書はその点を再度強調して論じ、社会インフラを維持しながら生活を行えるような社会への変革をしていかざるを得ないというのが主張となります。
コンパクトシティーとは違うと指摘されていますが、正直ってどこら辺に違いがあるのかっていうのは僕にははっきりとわかりませんでしたね。
移住を強制するのではない…と言うあたりなのかしらん?
社会インフラが整備された地域に、高齢者や要介護者を集中して住まわせる…みたいな感じなのかなぁ


ちなみに、ChatGPTサーチにまとめてもらった文書の概要は、以下の通り


河合雅司氏の著書『縮んで勝つ』は、急速に進む日本の人口減少を前提に、社会の再構築を提言する内容です。直近5年間で出生数が毎年約4.54%減少しており、このままでは50年で人口が半減、100年後には8割減少する可能性が指摘されています。 

本書では、人口減少がもたらす具体的な影響として、以下の点が挙げられています。
• 交通インフラの維持困難:赤字ローカル線の廃止や路線バスの減便により、地域が「陸の孤島」と化す懸念。 
• 物流の崩壊:トラック運転手の不足により、物流網が機能不全に陥る可能性。 
• 生活インフラのコスト増:水道料金の平均5割増加など、生活費の高騰。 
• 教育機関の統廃合:小中学校の統合により、通学距離が大幅に増加する問題。 

これらの課題に対し、著者は以下の7つの活路を提案しています。
1. 外国人依存からの脱却:量的拡大の成功体験を見直し、質的な成長を目指す。 
2. 女性の戦力化:女性を「安い労働力」としてではなく、戦力として活用する。 
3. 従業員一人あたりの利益向上:生産性を高め、個々の「稼ぐ力」を強化する。 
4. 商品の高付加価値化:薄利多売から脱却し、高付加価値の商品開発を推進する。 
5. 中小企業の海外進出:日本独自の強みを活かし、海外市場への展開を図る。 
6. 30万人規模の生活圏構築:地方自治体の枠を超えた生活圏を形成し、持続可能な地域社会を目指す。 
7. 地域の戦略的縮小:人口集積の二層化を進め、効率的な地域運営を実現する。 

これらの提言を通じて、著者は人口減少を前提とした社会の再設計を強調しています。


7つの対策はよくわかるんだけど、なかなか難しいですよね。
それをやらないと「社会インフラ」が維持できないっていうのは全くその通りなんですけど、
そういう意味で言うと、やはり期待するのは
「自動運転」と「AGI」
真面目に日本はここに資本を振っていくしかないんじゃないかと思うんだけど、マイナ保険証位でああだこうだ言ってる位だからなぁ。
見通しはあまり明るいように思えません。
既存政党の枠組みがちょっと揺らぎつつあるように見えるのは、案外良いことなのかもしれないなぁとも思うんですけど。
どうだろうなぁ。


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