鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

予想以上に考えさせられました:読書録「ヤフーの1on1」

・ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法
著者:本間浩輔
出版:ダイヤモンド社

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法


コミュニケーションツールとしてのITの活用(「全社員生産性10倍計画」)
職場における「関係の質」を向上させるためのノウハウ(「『半径5メートル最適化』仕事術」)
と来て、
「とは言え、単なる『仲良しグループ』、下手したら『愚痴の言い合い/増幅集団』になってもらっても困るんだよな。『組織目標』や『個人の成長』にチームとして目を向けてもらうにはどうすればいいか?」
と言う視点でチョイスしたのが本作。


と言っても、必死でそう言う本を探したわけでもなくて、新大阪駅構内の本屋に置いてあったのを、「ここら辺かな?」って手にとっただけなんですけどねw。基本的に僕は「ビジネス本に書いてることは、どれもそんなに変わるわけじゃなくて、読んだタイミングで『気付き』が得れれば良いもの」と思ってるもんで。
しかしその「軽い」ノリで選んだにしちゃ、本書から得た「気付き」はすごく多かったです。
「タイミング」はピッタリだったかもw。


作者は「コミュニケーション」をこう定義します。
<自分の意図が相手に伝わって、相手が意図に沿って動いてくれること>
ワイワイ仲良くやってるのが、「コミュニケーションが取れてる」ってことじゃない、ってことですね。
「1on1」自体は、
・週一回30分
・「アクティブリスニング」と「レコグニション」による信頼関係の醸成
・進捗確認(共有)、コーチング、ティーチング、フィードバックの実施
・「行動の宣言」でのクロージング
と言う「形」になるのかな?
でもこの「形」を実践することが目的ではなくて、個人個人の自主性と主体性を引き出しながら、「組織目標」達成への個人の貢献の支援を行う(だからこそ、「上司」と「部下」の関係で実施する)ことが「目的」なんでしょう。
「経験学習」(仕事術・業務からの学び)を意識的に行い、頻度を高めることで、その「学び」の回転を上げていくと言う効果も期待されています。
これらを包含して、ヤフーの場合は「才能と情熱を解き放つ」ということになるんじゃないか、と。


「頻度」なんですよねぇ。
PDCAと言う視点から考えても、「頻度」を上げることで回転を上げて、「成果」へのスピード感と質を高めるってのは頷けます。(この場合の「成果」は、「個人の成長」と「チームとしての目標達成」でしょう)
「週1回」が形式として定められたものじゃないんだけど、「頻度を上げる」ってことを考えると、やっぱりこれくらいは…。取組施策のPDCAなんかの場合、頻度が「毎日」ってこともありますからね(進捗の共有とか)。「キャリア」のことを毎日…ってのはシンドイけどw、職場での関係の質の向上やプロジェクトの進捗共有、その中での学びと成長…って視点だと、四半期や半年ってスパンは長すぎるし、その「成長スパン」では、今のビジネス環境では「遅すぎる」って印象も確かにあります。
でも、「毎週」はなぁ…。


本書は理論的なこともいろいろ書かれていますが、基本的には「ヤフー」での実践の話がベースになっているので、シャープじゃない、試行錯誤感があってw、それが逆に説得力を増してます。
外部の方との「対談」も良いですね。特に「フィードバック入門」( http://d.hatena.ne.jp/aso4045/20170601/1496310086)の中原淳氏との対談からは多くの「気付き」が得られました。


まずは「月一回」かな。
今も行なっている「面談」の機会を、「経験学習」に繋げていくことを意識して実践してみたいと思います。
それこそ「試行錯誤」でしょうがね。