鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

予想外の違和感でした:読書録「路地裏人生論」

・路地裏人生論
著者:平川克美
出版:朝日新聞出版(iBOOK版)

路地裏人生論

路地裏人生論


僕は自分をバリバリの「文系人間」だと思います。まあ何とかサラリーマンをやってるから「合理性」や「論理的思考」についてもそれなりに使ってはいるつもりですが、根っこのところでは極めて「情緒的」「不合理的」な人間なのではないか、と。
結構な「懐古趣味」もありますいしw。


なんで、読み始めた当初はもっと作者に「共感」できると思ってたんですがねぇ。
予想以上に「違和感」があって(「反感」ってとこまでは行かないんですが)、
「これは何だろうなぁ」
と思わず考えさせられてしまいました。


まあ全部とは思いませんが、もしかしたら「子育て真っ最中」ってのがあるのかもしれないな。
それも「小学生」。まだまだ「未来」が不確かな子供たちです。
そういう子供たちと向き合ってると、やっぱり「未来」が気になるんですよ。できれば「良い未来」が来てほしいなぁ、と。


「昔には昔なりの良さがある」とも思いますし、「人口減少の中でGDPを追いかけて行くことには無理がある」ってのも分かります。「資本主義の行きつく果てとしてのグローバリズム」、まあ「そうかも」。
でもやっぱり、子供たちには今よりも「いい時代」を生きてほしいと思うわけですよ。
そのために彼らにいろいろなことを教え、一緒に考え、歩みたいと思っていますし、自分自身の行動も何がしかの社会への寄与があればと考えるようになってきています。
我ながらこんな風に考えるようになるなんて、10年ちょっと前には思いもよらなかったんですがw。


もちろん作者の考えもわかるし、そういうスタンスからの「思想的転換」がこれからの「時代」を「良く」していく可能性もあるとは思いますよ。
本書はどっちかっていうと「エッセイ」ですからね。
社会論よりは、身の回りの話にウエイトが寄ってて、なんで「取り寄りばっかり集まって、なんか昔の話ばっかりしてる」って印象が強くなっちゃったのかもしれませんw。
僕だって年代的には彼らに近いほうですし、そのことを考えれば、実は作者や仲間たちの「行動力」は驚くべきでもあったりもするんですが。


ただ、今の僕はもうちょっと未来に対してポジティブなスタンスを取りたいな、と。そういうことなのかもしれません。
面白く読ませてはもらったんですけどね。