鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「百年たっても後悔しない仕事のやり方」「本から学ぶ」

・百年たっても後悔しない仕事のやり方
著者:出口治明
出版:ダイヤモンド社(Kindle版)



・本から学ぶ ライフネット生命会長兼CEO出口治明が読む50冊
著者:出口治明
出版:アイティメディア(Kindle版)



「仕事に効く教養としての『世界史』」を読んで、ビジネスマンとしての「教養」の高さに驚いたこともあって、出口氏の作品を続けて読んでみました。
「仕事に効く〜」もそうなんですが、「百年たっても後悔しない仕事のやり方」ってのも題名としてはどうですかね。いずれも流行のビジネス書・自己啓発本の類いに見えてしまいます。その割に、読んでみたら実に奥深い・・・どっちもそんな本です。



それは「本から学ぶ」で取り上げられた「50冊」にも表れています。
こちらはネットメディアでの書評連載をまとめたもののようですが、選ばれた本の骨のありっぷりに考えさせられます。
自分が影響を受けた作品を紹介するというのなら骨太なラインナップになるのも分かりますが、おそらくは「今」読んでいる本からチョイスされたラインナップでしょうからね。日常の読書傾向を反映したものでしょう。
「とてもじゃないが、こんな骨のある本バッカリ読んでられない」
自分の本棚(一部は電子書籍)を眺めて、彼我の差にため息が出てきそうです。



その読書傾向を反映するように、「仕事のやり方」の方も、実にオーソドックスでマトモな内容です。何か物凄くレベルの高いことや、取り組むのにハードルのあることが書かれている訳ではありません。
でも、これを継続するのは難しい!!
結局のところ「仕事術」ってのは、当たり前のこと、オーソドックスなことを継続して行う・・・というのに尽きるのかもしれません。
まあ作者の経歴もあって、「営業社員」というよりは企画畑の社員向きと言えるかもしれませんが、これも煎じ詰めれば「根っこ」は同じですからね。多少のアレンジは当然として、大きな方向性に間違いはないと言えるんじゃないでしょうか。



50歳目前になって、今更「仕事術」って訳でもないんですが、それでも自分のあり方や下位者へのアドバイスなんかを考える上では、こういう本は役立ちます。
「ライフネット生命」が果たして百年続く会社となり得るか。
それは分かりませんし、少なからぬハードルがあるように思います。
ただ現実において「ライフネット生命」がどのようになるにせよ、ここで出口氏が示した「仕事」のあり方/ビジネスマンとしてのあり方が否定されるものではないでしょう。


なかなか興味深い作品であり、人物だと思いますね。