鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

症例集(ネタ紹介)かと思いきや…:読書録「他人をバカにしたがる男たち」

・他人をバカにしたがる男たち
著者:河合薫
出版:日経プレミアシリーズ


妻がどこかで紹介を見かけて、「面白そう」と言ってた本。
新大阪駅の本屋で見つけて、パラッと読んだら、面白そうだったんで、そのまま買っちゃいました。


少し前に読んだ「クラッシャー上司」みたいに、「症例」wが数多く紹介されている本なのかなぁと思って読み始めたんですが、確かに前半はそんな感じ。


老害はどこから発生するか>
<勝ち負けが気になる心理>
<「偉そうなオジさん」はなぜ存在するのか>


いやぁ、「こうなっちゃいかんよなぁ」「これは僕は違う」「あ、ここら辺は…」ってな風に、「自戒」とするための事例やら注意点やらが並んでいます。
基本的には「そうならないように」とは思って振舞ってるつもりなんですがね。


ただ後半はそういう「症例」の裏側にあるもの、それを避けるためにはどうすべきか…という話になります。
所謂、SOC理論。


<ありきたりの人生を送っていても、ある日突然、自分の意思では止めることも避けることもできない危機や困難に遭遇し、絶望の淵に立たされることがあります。
(中略)
それでもなんとかつじつまを合わせ、嘆き続けることをやめ、顔を上げ、前を向いて歩くしたたかさを、私たち人間はもっている。
この「ま、仕方がない」とつじつまを合わせる内的な力が、本書で何度も触れてきたSOC=Sense of Coherence。直訳すると「首尾一貫感覚」です。>
<SOCは、「人生であまねく存在する困難や危機に対処し、人生を通じて元気でいられるように作用する人間のポジティブな心理的機能」のこと。わかりやすく言うと、「生きてりゃしんどいこともあるよ。それはそれとして、明るく生きようぜ!」という逞しさです。>


作者が一番いいたかったのはココ。
「症例紹介」はそのための「釣り」というわけですw。
このパートはしっかり「お勉強モード」。読み飛ばせる感じではなくなります。
でも「導入」(釣り)が上手いので、割とスムーズに入ることができましたね。


そして本書の最後は、
<しかし、オジさんたちが日本を救う>
そのためには、「孤独」を避け、<たったひとりでいいので、「アナタは私の大切な人」とメッセージを送ってくれる人>とのつながりを築く。
そして、その応援団のために「踏んばる」。
<結局のところ、目の前の仕事の「質」を高めるために励む以外、前に進むことはできません。
「自分の成果物」の価値を上げるべく邁進する。
「自分にできること=学び」に励む。
自分をどうこうするのではなく、目の前の仕事を「少しでもいい仕事」にすべく努力する。>


簡単じゃない。
でも社会や家庭や会社のお荷物にならないためにも、マインドセットを変えていかなきゃな。
…という気分にさせてくれるオチでした。結構、「昭和」チックな香りもするし。
なかなかお上手w。