・日本史の謎は「地形」で解ける
著者:竹村公太郎
出版:PHP文庫(Kindle版)
- 作者: 竹村公太郎
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2013/10/03
- メディア: 文庫
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「ウィークエンドシャッフル」の「春の推薦図書特集」で紹介されていた一冊。
「面白そうやな」と思って調べたら電子版が出てたので、Kindleにて購入。読み始めたら、一気でした。
今までの「歴史解説」は人文学系のアプローチをしていた。しかしその場合は「解釈」によって色々な見方ができてしまい、しかも決定付けることができない。
それに対して、「地形」や「気象」といった「下部構造」は「動かない事実」だ。<その解釈の根拠としてぶれない地形と気象を共有していれば、議論は拡散せず、客観的にある方向に向かっていく。>
というのが本書のスタンス。
そこから、
・関が原後、なぜ家康はすぐ江戸に戻ったか
・なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか
・なぜ頼朝は鎌倉に幕府を開いたか
・元寇が失敗に終わった本当の理由とは何か
・半蔵門は本当に裏門だったのか
・赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したのか
・なぜ徳川幕府は吉良家を抹殺したか
・四十七士はなぜ泉岳寺に埋葬されたか
・なぜ家康は江戸入り直後に小名木川を造ったか
・江戸100万人の飲み水をなぜ確保できたか
・なぜ吉原遊郭は移転したのか
・実質的な最後の「征夷大将軍」は誰か
・なぜ江戸無血開城が実現したか
・なぜ京都が都になったか
・日本文明を生んだ奈良は、なぜ衰退したか
・なぜ多さ缶は緑の空間が少ないか
・脆弱な土地・福岡はなぜ巨大都市となったか
・「二つの遷都」はなぜ行われたか
という「18」の謎について論じられています。
「なるほどなぁ」から「そういわれてみれば」まで、納得感はかなりあります。
「そりゃないだろう!」ってのは少なかったかな。
もちろん、そうは言っても「解釈」には違いないので、そこは「ちょい無理筋も」ってのもありますがね。
「吉良家抹殺」なんかは、根拠は根拠として理解できるけど、やや「その気配あり」かとw。
でも基本的には「いい線ついてる」って推論だと思います。かなり楽しんで読めましたよ。
アマゾンを覗いてみたら何作か「続編」も出てるようです。
「機会があったら読んでみよ」
と思ってるところ。
ま、何の役に立つってわけじゃないんですけどw。