鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「柳生十兵衛秘剣考 水月之抄」

・柳生十兵衛秘剣考 水月之抄
著者:高井忍
出版:創元推理文庫(Kindle版)

柳生十兵衛秘剣考 水月之抄 (創元推理文庫)

柳生十兵衛秘剣考 水月之抄 (創元推理文庫)



シリーズ第2作。
前作が「2011年」出版だから、4年くらい開いてます。
面白かったし、キャラも立ってたから(「柳生十兵衛」は人気者ですしね)、シリーズ化はされるかなとは思ってたけど、案外開いちゃいましたね。


まあでも「ネタ」が難しいのかなw。
十兵衛が「探偵役」となって、戦国末期から江戸初期の「剣豪」にまつわる「謎」を解く(ついでに圧倒的な剣技もみせるw)って仕立てなんだけど、そうそう都合の良い「謎」もないか、と。
いや、あの時代の剣豪達の「?」な逸話は結構あるけど、「ミステリー」にするのはそんなに簡単じゃないし、「メジャー」どころで探すのは尚更・・・ってことなのかもしれません。
本シリーズで取り上げられる「剣豪」は


伊東一刀斎
岩間小熊
松山主水


正直、一刀斎以外は知りませんでしたw。
それだと「意外感」もでてきづらいですよね。この手の「ミステリー」だとこれはマイナスポイント。
「松山主水」なんかになったら、
「この秘剣はあり?」
ってな感じにまでなってますしw。


まあ個人的には楽しく読めたし、十兵衛とワトソン役の「毛利玄達」の掛け合いが好きなんで、「納得」の一冊だったんですが、「シリーズ化」という観点から見ると「辛いかな」とも思いました。
いっそ、フィクションの方にもっと振っちゃってもいいんじゃないかなぁ。
でも本格志向の作者は、そういうの「良し」としないんでしょうね。