鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

もっと突っ込んで欲しかったなぁ:映画評「夢と狂気の王国」

「ジブリ」と題材にしたドキュメンタリー。
ちょっと良い評判を聞いていたので、レンタルショップで見かけて借りてみました。

夢と狂気の王国 [DVD]

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うーん、もう一つですかねぇ。
宮崎駿氏についてはNHKで定期的なドキュメンタリーが作られていますが、正直それを超える出来ではなかったかな?
「風立ちぬ」の完成前後を取り上げているのはNHKでもありましたが、(対象が同じなんだから当たり前っちゃあ当たり前ですが)似たような方向性になっています。映像は確かにこちらの方が上質なものとなっていますが、ドキュメンタリーですから・・・。



この題名(「夢と狂気」)なんで、従来の物語とは異なった切り口で迫ってくるかと思ってたんですよ。
「常雇い」という(時代的には無茶な)「ジブリ」というスタジオのあり方とその限界
とか、
「宮崎後」を巡る迷走(ちょっと宮崎悟朗氏は登場しましたが)
とか、
「理想」をかたる宮崎駿と、「職人」宮崎駿のギャップ
とか。
一番見たかったのは、
「宮崎駿」と「高畑勲」の恊働と破綻とライバル関係の歴史
かな?
「ジブリ」って結局ここですからね。



ここら辺のことは別に秘密でも何でもなくて、本人達も鈴木氏も結構色々なところで語っていますし、関係者の発言も色々あります。
だから「暴露」「スキャンダル」って感じじゃなくて、「映像で整理しておこう」というスタンスでまとめてるんじゃないかなぁ(ジブリ作品だし)・・・と勝手に思ってたんですよ。ポスターにも三人(宮崎/高畑/鈴木)出てるし。
でも結論は「NHK+α」。
まあ悪くはないんですけどね。全くスルーする訳じゃなくて、触り程度には取り上げられてはいますし。それなりに楽しめはしました。



こういう風にまとまってるところを見ると、まだ「現役」なんですかね。宮崎駿も高畑勲も。
それならそれで「次」への期待も持てるってことで。(現実的かどうかは分からないけど)
そう、自分を納得させた作品でした。