鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人」

・高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人
著者:勝間和代
出版:小学館eBooks(電子書籍)


最近の「勝間本」の中では評判のいい方になるんじゃないかな?
新書で出たときに、「どーしよーかなー」と思ったんだけど、勝間氏自身がブログで電子出版の計画をコメントしてたので、そっちを待った次第。
この手の本は出来る限り電子書籍で・・・って思ってるんだよね。
スペースの問題もあるしさw。


本書のテーマは、言い古された言い回しを使えば、
「知識より知恵」。
それをビジネスパーソン向けに、整理した概念が「ストリート・スマート」。
その特徴を分析し、そうなるためのスキルや習慣を解説した・・・っていうのが本書の概要になる。
反対の概念が「アカデミック・スマート」になるんだけど、ここ数日の政府(官僚)や東電さんの情報の出し方なんか見てると、何となく思うところがあるね。
現場では「ストリート・スマート」に支えられた現場力が発揮されてることを切望するけど・・・。


ネット書評なんかを読むと、本書で論じられている中でも「易行」について語られてるあたりのコメントが多い。
主張としては、
「簡単な手段(易行)で本質的に目的を達成することはできない」
ってことだと思うんだけど、特に初期の「勝間本」が「少ない努力で多くの成果を上げる」ことをテーマとしていただけに、ちょっと「ん?」って感じちゃうんだよね。
実際にはその頃から勝間氏の主張が本質的に変わってる訳じゃないんだと思うけど(「生産性を上げる」ことが「易行」ではないだろう)、打ち出し方として初期の戦略とは変わってきたってのはあるんじゃないかな。


もっとも、
「世の中に易行はほとんどない」
ってことは、ある種「常識」でもある。
それを踏まえた上で、「生産性」をあげるための手法を勝間氏に期待している場合は、ちょっとまどろっこしい感じもするだろうね。
これは僕の正直な感想w。
ま、だからといって、僕が「易行」を避けてるってことじゃないけどさw。


全体としては確かに最近の勝間本の中ではテーマもしぼられてていいんじゃないかと思う。
個人的に題名にひねりが欲しい感じがするのと、「林原」をこのタイミングで大きく取り上げちゃうタイミングの悪さはどうかな、ってのもありはするけどw。


この震災で日本社会の有り様は新しい局面を迎えるんじゃないかと感じている。
その中で必要とされる人材は、旧来のエスタブリッシュメントたる「アカデミック・スマート」ではなく、多様性・柔軟性の中から戦略を導き、行動力に移すことが出来る「ストリート・スマート」である・・・なんて言うと迎合し過ぎ?w
でも半分くらいは「そういう社会が来るといいなー」なんて思っております。

「そういう社会にならないと日本はどうにもならん」ってことかもしれんがね。