鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「『有名人になる』ということ」

・「有名人になる」ということ。
著者:勝間和代
出版:ディスカヴァー携書(電子書籍)



<勝間がまた嫌われそうな本出してる>



って西原理恵子の帯の通り、って感じはあるw。
(裏表紙の「あんた有名じゃないって」って突っ込みも笑える)
でも最近の作者の著作の中ではかなり面白い部類の作品だったと思うよ。



内容は「勝間ブーム」の前後から現在までの活動を、「有名人になる」というプロジェクトとして論じ、分析したというもの。
自らの体験から、有名人としてのメリット・デメリットだけではなく、当時自分が考えた戦略やその成果、収入に至るまで結構赤裸々に書かれている。
よくも悪くも、これが「勝間和代だなぁ」って印象だ。
(それでいて暴露本にならないあたりもw)



そもそも勝間和代が著作活動を主体として活躍し始めたのが、リーマンショックによる事業の行き詰まりからってことは驚き。
著作活動が忙しくなったから、事業展開を中止したのかと思ってたんだよね。
そういう意味じゃあ、結構切羽詰まったところはあったのかもしれない。


ブームが過ぎ去って、いわゆる「終わコン」の状態になったことも冷静に語られている。
ここら辺には東日本大震災後の原発を巡るひと騒動が絡んでたと思うんだけど、そこに関するコメントはなかった。
大筋に影響はないので別にそれはいいんだけど、あの一連の流れの中には日本のある特徴的な部分も垣間見えてたので、もう少し詳しく書いて欲しかったなっていう気持ちもある。
ここまであからさまに書いていながら、あの件に関してはスルーってのは、本人にとってまだ整理がついてない部分があるってことなのかな?
(個人的にはあの時の勝間和代の主張は間違いじゃなかったと思う。ただタイミングと表現が最悪だったってこと。
その鈍さが「勝間和代」とも言えるがね)



まぁ僕は有名人になる気はないので、本書を活用するってことはない。
ただ勝間和代と言う人物を知るとともに、この国で「有名人になる」ということの一つの姿を知るという意味で、本書はなかなか面白い作品なんじゃないか、と。


さて、今後「勝間和代」はどう言う戦略で来るのかね。「キャラ売り」には懲りたようだからw、中身重視の路線なのは確かだと思うんだけど…。



でも相変わらず自分が見えてないところもあるからなぁ。
その自己錯誤の部分も含めて楽しむのが「勝間和代」w。
本作が面白かったので、ちょっと期待したい。