鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「異性」

・異性
著者:角田光代、穂村弘
出版:河出書房新社



いつ買ったんだっけなぁ。
確かラジオ(「たまむすび」?)でキャスターが紹介してたのをキッカケで買ったような・・・。妻が「角田光代」ファンってのも勿論あってだけど。
で、妻はサッサと読んで、「結構面白かったよ」と。
・・・以来、数ヶ月。
全く放ってたわけでもなく、ポツポツとは読んでたんだけど、読み終えるのに随分とかかってしまいました。
そんなボリュームの本でもないのにね。



いや、面白くなかった訳じゃないんだよ。
「男から見た女」「女から見た男」
そうだよなぁ・・・ってのがあったり、そうかぁ・・・ってのがあったり。
割とニヤニヤしながら読みはしたんだけどね。
だけど「一気に」ってほどには入れ込めなかった。
・・・なんとなく。



「男」と「女」。
そりゃ生物学的に作りが違うんだからw、違うところはある。
でもその大半は社会的な「役割」や「教育」「環境」の中から出てくるんであって・・・ってのは作者たちも百も承知。
承知した上で、その「差異」を楽しんだり、驚いたりしてるわけで、それをどーのこーの言うつもりはない。
ないんだけど、そういうことを無条件に楽しむモードに今の僕はないってことなんでしょうな、これは。



もしかしたら「子育て中」ってのがあるかもね。
しかも「息子」と「娘」だし。
そういう僕にとっては、彼らが今用意されている「枠」の中で上手くやっていくことよりも、少しでも「枠」を広げたり、なくしたりできたらいいのになぁ・・・って気持ちの方が強いんじゃないか、と。
それは難しいことだし、ちょっと厳しいことでもあるんだけど、「それでも・・・」って気持ちがどこかにある。
どこまで堅持できる気持ちなのかは分からないけど・・・。



学生時代に読んでたら、20代の独身時代に読んでたら、これは楽しめた本かも知れないけどね。
作者二人とも、なかなかの「ゆがみ」っぷりだし、かつそれを分析し、自嘲する「大人」っぷりも持ってるから。
だから面白い本だと思いますよ。
僕にとってはタイミングが違ってたかもしれないけどさ(でも読み通しはしたんだしね)。
それもまた「縁」。
そゆことです。