鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ビジネス寓話50選」

・ビジネス寓話50選 物語で読み解く、企業と仕事のこれから編者:博報堂ブランドデザイン
出版:アスキー新書(電子書籍)



所々に出てくる編者の業務内容との関わりに関するコメントが「商売っ気」を感じさせるところが何だけどw、全体としては面白く読めたかな?
「50」ある寓話も、まあ読んだこと、聴いたことがある話も少なくなかったけど、改めて読み直す意義みたいなものも感じれたしね。
ビジネスに限らず、人間関係や社会活動って言うのは「白/黒」で割り切れるようなデジタルなもんじゃない。
「物語」にはそういう「灰色」の部分をも読む者に届ける「力」があると思う。
それは「読書」の力でもあるだろう。



だから本書の末尾で編者は「50の寓話」のキーメッセージとして、

「スピリッツを持つ」
「共創する」
「とらわれない」

と整理しているけど、「それはそうだな」と思いつつ、そこに還元されない「何か」こそが重要難じゃないかとも思ったりもする。
第一、それですむなら、最終章の「解説」だけ読めばいいじゃんw。
それじゃすまないところにこそ、「寓話」と「ビジネス」をつなげる本書の意義があるんじゃないかね。(勿論、そんなことは編者は百も承知だろうが)
本書で一番つまらないのが、この「解説」の部分だったりするのもそれ故でしょう。



こういう「寓話」から導きだされる理論をマーケティングに取り込もうとしている編者達の「ビジネス」については、何やらいかがわしくものを感じたりもするんだけど(失礼!)、ある種の相対化をもたらすものとして、集められた物語を読んでみる価値はある本じゃないかな?
読みやすいしねw。