・CASE革命 2030年の自動車産業
著者:中西考樹
出版:日本経済新聞出版社
Spotifyでポッドキャストがスタートして、その中で伊藤洋一さんのこの番組があったんですよね。
<ラジオ・コネクティッド つながるクルマの近未来>
https://open.spotify.com/episode/24ZX5GKKriWMT2JtIck3SV?si=d3BIkZToR_y50LysUHXPXA
その中で、作者がゲストに呼ばれてて、本書について話してるのが面白かったので、購入。
ま、「自動車」関連業界の端っこの方には関係してますのでw。
僕はホンダのFIT(ハイブリッド)に5年ほど乗ってるんですが、それを購入するときに、
「次はEV。もしかしたら自動運転車かな」
と思ってたんですが、なかなかそうはいかないようですw。
C:Connected(接続)
A:Autonomous(自動運転)
S:Shared & Service(シェアリング&サービス)
E:Electric(電動化)
もともとはダイムラーが言い出した戦略。
ただ大きくはこの方向で動いてるのは間違いないですね。トヨタの戦略もそうですから。
同じようなバズワードには<MaaS>がありますが、あちらが「移動」全体をサービスとして捉えた戦略なのに対して、<CASE>はその移動手段の一旦である「自動車」についての戦略ワード。
ただ両者が密接に絡み合ってるのも間違いありません。
本書は「自動車産業」に非常に詳しい方が書いているので、詳細かつ具体的に論じられています。
ま、正直言えば、「ここは僕なんかが読んでもな〜」「ここはサッパリ」ってとこもありましたがw、全体としては非常に明確に「CASE革命」のあり様が見えてきます。
僕自身の興味からの捉え方ですと、こんな感じでしょうか?
①「CASE革命」といっても、<MaaS>用と、<個人所有(POV)>用では進み方や概念が全然違う。
②<MaaS>用の新自動車は「自動運転」も含めて比較的早く実現化する可能性が高い。<POV>用の新自動車については普及はかなり先。
③C(コネクティッド)は25年くらいには相当普及している。それをベースに実用化を広げていくA(自動運転)については、利用範囲が限定されるMaaSは早いものの、POVはその先。E(電動化)については電池の技術革新問題やインフラもあり、30年でも「8%」程度と推測。
④コネクティッドをベースに急速に「S(シェアリング&サービス)」は進んでいくし、「A」の基礎データも取得されるようになる。それをIT産業をはじめとした<新興者>が抑えるのか、伝統的自動車産業が抑えるのか、その戦いがスタートしているのが現時点。
⑤「自動車」はかなりリアルに食い込んだ装置であり、簡単にソフトやアルゴリズムで自動車運行をコントロールはできない。そこに自動車産業がコネクティッドネットワークを構築する可能性があり、そういう戦略で各社は動いている。
最近の日本の場合、高齢者の自動車事故・操作ミスがかなり報道になっています。
となると安全装置の普及速度が早まる可能性も高まりますし、根本的解決としての「MaaS」の展開への社会的要請が強まる可能性もあります。
その向こうには「自動運転車」も…。
個人的には「特区」等も活用しながら、「MaaS」「自動運転車」の実用化をどんどん進めて欲しいと思ってるんですがね。(なんか「特区」に対するネガティブキャンペーンが毎日新聞あたりが張ってるんで、嫌な気分にもなってますがw)
愛媛県とか、石川県とか、絶対にやるべきだと思うんだけどな〜。
個人的には「自動車」に関しては30代の後半・40代はじめに乗ってた、BMW・Z3とBeatleが「個人的趣味」を前面に押し出して乗ってた車ですw。
それ以降はどっちかっていうと、「使い勝手」優先ですね。
で、「これから」を考えると、もう個人的には「自動車」を「趣味」にすることはないかな〜。
一時期は「60代はロードスターを」とかとも考えてたんですけどね。
むしろ今は「自動運転車待望」w。
ちょっと寂しい感じもするけど、そこは個人の「優先順位」の問題かな。
「運転を楽しむ」よりは、「移動しながらも何かする」方が優先順位が高い。
…とは言え、実は車酔いしやすいって弱点もあったりするんですけどねw。
PS 自動車関連に関与する人は読んだ方が良いのは確かです。
こちらと合わせて、是非。
<MaaS>