・自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢ークルマの近未来
著者:冷泉彰彦
出版:朝日新書(Kindle版)
今年の冬の北陸の大雪を体験してつくづく思ったのは、
「なかなか完全な自動運転の実現は簡単じゃないな」。
だって、こんなですよ?
本書はアメリカ在住の作家・冷泉彰彦さんが、アメリカにおける自動運転の「現状」をルポし、今後の可能性について考察した一冊。
冷泉さんはガッツリ取材するジャーナリストというよりも、メディアの記事を紹介しつつ、考察を深めていくタイプという印象があって、リベラル寄りのスタンスが時に鼻につくとこも個人的にはあるんですがw、本書は「現場報告」として興味深く読めました。
(なんとなく印象はありましたが)アメリカでの「自動運転車」に対する反応ってのは、思ってる以上にネガティブなんですね。メディアがこう言うのに対してネガティブポジションを取りがちなのは、日本もおんなじですがw。
僕自身は「自動運転期待派」です。
ドライブは結構好きなんですが(マイ・プレイリストをガンガンかけたりしてw)、日常的には「自動運転でいいな~」と。
<気分が向いたら自分で運転>
ここら辺の落とし所が個人的希望ではあります。
ただまあ、そういう「混在状態」がナカナカ難しいってのも分かりますけどね。本書のポイントの一つもそこら辺ですし。
本書を読んで確認できるのは、やっぱり「完全自動運転」の実現には時間が掛かりそう、ということ。
まあ、2020年代で「レベル3」の普及(一部地域で完全自動運転を限定的に実施)…ってあたりが、リアルのとこではないか、と。
それでも僕は今後の日本を考えると、「自動運転」は進めていくしかないし、進んで欲しいと考えています。
「高齢化」「労働力不足」はやっぱり深刻。
そしてこの流れを強化していく方向を逃すと、中長期的には日本は衰退の道を歩まざるを得ないのではないか、という危機感があります。
デジタルからリアルにデジタル革命が拡大していくこのタイミング。
日本のチャンスがあるのは確かだと思いますが、同時にそれは「ラストチャンス」でもあるんじゃないかと…。
…とか言って、東京医科大学のあれやこれやを見てると、「人材を活用する」という点において、ここまで後進国的なのかと、ちょっと暗澹たる気持ちにもなったりするんですけどね。