鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

このタイミングでのお気楽ミュージック:村上RADIO第15回

この間、stay home 特番やったばっかりなのにw。

ま、今回もstay homeバージョンのようです。

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毎度の丁寧な書き起こし(HP)はこちら。https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

 

 

60年代前半、公民権運動が激しくなり、音楽シーンもビートルズの登場で一変する前のお気楽でハッピーなオールディズをピックアップしています。

 

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こう言う写真がアップされてるところを見ると、stay home 期間の「癒し」みたいなモノを狙っての番組構成ですかね。

ただ最近のBlack Lives Matter の流れを考えると、ちょっと「お気楽過ぎる」印象もあるかな〜。

ジャズに造詣の深い村上春樹さんがそこら辺に関する知見を持ってないはずないですからね。

それとも「敢えて」なんでしょうか?

 


選曲そのものはハッピーな気分になって、いい感じなんですけどね。

たま〜にこんな感じで部屋でオールディズを流しながらビールでも飲む。

悪くないと思うんですけど、そう言う「癒し」が求められるタイミングではなくなってるような雰囲気も感じています。

「ジョーカー」の席はない:映画評「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」

ジョーカーの彼女…がハーレイ・クインのアイデンティティ。

そこを突いた作品。

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つまりは「自立」「依存からの脱却」がテーマになるわけです。

そこに「抑圧された女性」と言うテーマも重なって、ラストは「女vs男」の大乱闘。

チョット分かり易すぎる構図ではありますがw。

(ハーレイ・クインはともかく、他のメンバーの「抑圧」「依存」の構図はあまり強い印象がなかったです。ま、ハーレイ・クインの一人語りだからってのもあるでしょう)

 


最近のディズニーが「ディズニー・プリンセスの再定義」の様相を呈しているのに呼応するように、本作は「DCヒロイン・キャラの再定義」の流れにあるのかもしれません。

もちろんワンダーウーマンがその最右翼なんですが、インパクト的にはコッチの方がありますかね。

「ジョーカー抜きのハーレイ・クイン」

…今までだったらあり得ないでしょう。

 


なんで、本作に「ジョーカー」が(明確な形で)登場しないのは、テーマ的にも「当然」です。

一昔前だったら、ラストあたりにちょっぴり顔出しして、影でクインを助けたりする役回りが与えられてたような気もするんですが、そう言う構図そのものを否定するところに本作の意義はあるんでしょうからね。

 


作品としての出来としては「?」ってとこもあるんですが、全体としては楽しめます。

ブラックマスク(ユアン・マクレガー)のラストがチョットあっけなさ過ぎるくらいかなw。

 


次にハーレイ・クインが登場するのは「スーサイド・スクワッド」かな?

「自立」した彼女がどう言う活躍をするのか?

楽しみではあります。

(引き続きジョーカーの出番がないらしいのは残念ですが)

2時間35分。でも長さは感じさせません。:映画評「ザ・ファイブ・ブラッズ」

「I’m not your negro」に続いて、「人種差別」について考えている妻の希望でのチョイス。

スパイク・リーの新作で、Netflixオリジナルです。(金曜日公開)

しかし、寝る前に夫婦で観るには重すぎる作品でしたw。

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とは言え、「I’m not your negro」とは違って、しっかりエンタメにはなってるんですけどね。

2時間35分の長丁場ですが、全然長さは感じません。

さすがスパイク・リー。

 


でも、じゃあ漫然と楽しめるか…と言うと、そんなことはない。

 


公民権運動真っ盛りに、並行して行われたベトナム戦争

黒人の参戦率が人種構成比率に比して明らかに高かったこと

戦争の最中での「キング牧師」暗殺

戦後、PTSDに苦しむ退役軍人

国のために戦った黒人への差別etc,etc

 


ベトナム戦争時代と現代を行き来しつつ、ストーリーとしては「宝探し」なんですが、登場人物たちが抱えたものが作品に深い陰影を与えます。

湿っぽくも、おセンチでもないんだけど、何かが胸に突きつけられる感じ。

 


「ブラック・クランズマン」同様、作品は「現在」に向けても刃を突きつけます。

「Black Lives Matter」運動が出てくるのは、現在の動きに合わせて追加撮影したのか、ただの偶然か…。

いずれにせよ、「今」観るのがタイムリーな作品なのは確かか、と。

大手の映画製作会社では企画が通らず、結局Netflixが拾ってくれたようですが、このタイミングで公開になるって言うのは、スパイク・リーにもNetflixにも、ある種の「強運」を感じざるを得ないです。

こう言う作品を作り、公開するってことそのものが強力な主張になりますからね。

 


アクション映画・戦争映画。

それでこのテーマ性。

でもエンタメ。

そして「今」こそを撃ち抜く映画でもある。

 


オススメです。

 

 

 

 

 

 

揺り戻しが来てる感じもあります:読書録「グローバル資本主義vsアメリカ人」

・グルーバル資本主義vsアメリカ人

著者:篠崎匡

出版:日経BP

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コロナ禍からBlack Lives Matter に大揺れしているアメリカ合衆国の現状を再勉強してみようと思って購入した作品。

山本一郎さんのブログからピックアップしましたw。

 


「日経ビジネス」電子版で連載した作品をまとめたもので、大所高所から「アメリカ」を語ると言うよりも、個人のエピソードに寄り添いつつ、それを描く中から(作者は「B面」と言ってます)、大きな流れを感じさせる…と言う構成になっています。

 


連載のきっかけはもちろん「トランプ大統領」の誕生なんですが、短期的なその事象だけではなく、30年にわたる歴史の帰着として、それを見ているところに本書の表題の意図があります。

 


<このタイトルがいいなと思ったのは、現在、至るところで噴き出している問題の多くがグローバル資本主義が浸透した結果だと考えたことによる。一人ひとりの人災が大きく変わったのも、グロバリゼーションの進展や冷戦の終結、新自由主義の浸透や人・モノ・カネの自由化の影響だ。そういった過去30年の変化をグローバル資本主義という言葉に込めた。>

 


本書で取り上げられているテーマはこんな感じです。

 


国境とそこでの鬩ぎ合い(自衛団、密入国仲介人(スマグラー))

銃規制論議

ドラッグと貧困

公教育

外国籍兵士と国外追放

グローバル製造業

アメリカンドリームの底辺

再生可能エネルギーと過疎地

宗教

先住民

シリコンバレーの格差問題

 


意外に「人種差別」は強く表には出てないんですよね。

それは明言しなくともベースにあるとも言えるし、グローバル資本主義とは違う次元だからと言うのもあったのかも。

ただ今の状況を考えると、これらに先んじて社会が抱えていた「長い宿題」が噴出したのが、「今」と言えるのかもしれません。

ポリティカル・コレクトには確かに行き過ぎの面があるし、課題も多い。

でもそれに代わる「公正な思想」を打ち出すことができなかったことで、ある種の揺り戻しもきてるんじゃないかな、と言うのが僕の印象です。

これからどうなるかは、誰にもわかんないでしょうが。

 


各章には取材時に撮った動画へ誘導するQRコードもあります。

全部見る時間も気力もないんでw、一部だけ見たんですが(10分くらいです)、やっぱり映像があるとイメージがクリアになりますね。

 


その点も含めて、「今のアメリカ」のイメージを掴むのにすごく参考になる一冊だと思います。

山本一郎さん、ありがとうw。

Tシャツ、好きなんですけどね:読書録「村上T」

・村上T  僕の愛したTシャツたち

著者:村上春樹

出版:マガジンハウス

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村上春樹が持っているTシャツを写真で紹介しつつ、まつわるエピソードを綴る…と言うだけの一冊。

特に何かドラマチックな事件が起こるわけでもないし、なんらかの「人生哲学」をここから引き出せる…ってもんでもないです。

こう言う本、好きですw。

 


僕もTシャツは好きで、一時期は随分と持ってたんですが、今はほとんど処分してしまいました。

だいぶカジュアルになってきたとは言え、仕事中にTシャツってのはナカナカないですからねぇ。

腹が出て、年も取ってくると、プライベートでもTシャツ一丁ってのは憚れる気分になると申しますか…。

 


しかし「在宅勤務」とかが本格化して来たら「Tシャツ」を着る機会とかもサラリーマンでも増えてくるかな?

僕個人は業務的に「どうかな?」って感じはありますが。

 


まあでも読んでみると、

「久しぶりに、チョットTシャツでも買ってみようかな?」

って気分にはなります。

自粛モードも緩んできたし、暑くもなって来たし。

あとはダイエットかなw。

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悪くはないんだけどなぁ:ドラマ評「オルタード・カーボン シーズン2」

Netflixオリジナルドラマのシーズン2。
2月にアップされてたのをようやく見ました

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主人公の役者がシーズン1と交代していますが、これは設定上、当たり前。
むしろシーズン1のキャラが思ってた以上に登場するのに、個人的に驚きました。「ヨエル・キナマン」から「タケシ・コヴァッチ」を引き継いだ「アンソニー・マッキー(アベンジャーズのファルコン)」の評判はネット上ではあまり芳しくないようですが、僕は悪くなかったと思ってます。
まあ、キナマンがハマり過ぎてたってのは確かにありますがw。

 

全8話を3日間で見たので、まあ「一気見」の方でしょう。
そういう意味では楽しませてもらったのは確か。
…なんですが、「シーズン1」に比べると、チョット落ちるかなぁってのが正直なところです。
「シーズン1」自体、諸手を挙げて「大傑作!」って感じでもなかったんですがw、それ以上にシナリオが練りこまれてないいなぁ…と。
「不老不死」を実現化した時代における格差社会を背景にしてる割には、そこらへんの描き方が前作以上に「設定のみ」って感じで、単純なSFアクション度を増しちゃった感じです。
それでも「シーズン1」はキャラで魅せてくれたんですが、そこがちょっと…。
色々ありますが、大好きだったAIの「ポー」が人間臭くなりすぎてる点と、「クウェルクリスト・フォークナー」のカリスマ性がいまいち感じられない点(その分「ヒロイン」度は増してますw)が一番かな。
(「最後のエンヴォイ」の癖にコヴァッチが結構間抜けなのは「シーズン1」も同様なので)

 

とは言え、後半に入って「Wコヴァッチ」になってからの物語展開はナカナカ魅せてくれました。
ラストの展開も個人的にはいいんじゃないかなぁ、と。


なんだかんだ言いながら、最後まで付き合ったんですから、「見る価値ない」とまではいうつもりはありません。
ないんですけど、「おススメか?」と言われると、「まあ、時間と暇があれば…」ってとこですかね?w

 

続編。
あるかなぁ。
あってもいいけど、これで〆ても悪くないような気がします。
あったら見るとは思いますけどね。

「初の人生指南」って売りだけど、基本はいつも通りw:読書録「還暦からの底力」

・還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方

著者:出口治明

出版:講談社現代新書(Kindle版)

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stay home用に購入(DL)した作品。

「還暦」にはまだありますが、「準備期間」も必要でしょうしw。

…とか言って、結局読んだのは緊急事態宣言明けなんですけどね。

 


まあ、基本的にはいつもの出口節です。

「人・本・旅」

で、還暦を迎える人へのメッセージとしては、

「人生100年時代。生涯現役、生涯学習」

…そうおっしゃると思ってました。

ご自身が絶対そう言うタイプですもんw。

(生涯現役って言っても、「死ぬまで働け」ってのとはチョット違うかも。

「好奇心を忘れず、老け込まずに、動き続けろ」

って感じかな。

まあ、「収入」のこともあるので、そこら辺は整理し切れてる訳じゃなけど)

 


構成としては前半が上記の主張。

後半は(自分が学長を務める)「APU」自慢と、お得意の「歴史談義」になります。

ここは好き嫌いは分かれますわねw。

個人的には「APU」(立命館アジア太平洋大学)にチョット興味があるのと、出口さんの歴史談義は結構好きなんで興味深く読みましたけど。

 


結論から言えば、「出口さんの過去の作品を読んでたら別に読まんでもいいんちゃう?」って作品かもw。

個人的には「もうちょいチャンと勉強せんとあかんなぁ」。(これ、出口さんの本を読むたびに反省してるんですけど)

 


ただ新型コロナは「人・本・旅」のうち、「人」「旅」にはマイナスになってます。

留学生の多いAPUも厳しい状況かも。(出口さんのFBにはそれも窺えます)

まあ、この状況がどこまで継続するかはなんとも言えない状況ですが(日本よりも、海外の方が影響は深刻と思います)、ここから何を学んでいくのか。

 


そう言う意味で、「これから」に関する出口さんの見解が聞いてみたいなぁ…と言うのが読み終えての感想です。

…なんか出版社の罠にかかりそうな話ではあるけどw。