・死神の浮力
著者：伊坂幸太郎
出版：文藝春秋（Kindle版）
「死神の精度」に続くシリーズ第２作。
前作は連作短編集だったんですが、本作は長編になっています。
結構好きな作品だったんですよ、前のは。「続編も期待」って感じだったんですが・・・。
う〜ん、微妙かなぁ、正直なところ。
上手いし、面白いのは相変わらずなんですけどね。
ただこのキャラを活かすのは、やっぱり「短編」じゃないかな、と。
クールで、ちょっとズレてて、それでいて愛嬌がある「死神」と、「死神」に接する人物（往々にして、「死」を宣告されようとしてたりするんだけど）のコミュニケーションの可笑しさがこのシリーズの大きな魅力の一つだと思うんですが、「長編」だとそれが基本的には「１回」しかありませんからね。ちょっと間延びした感じがします。
これが「短編」だとバリエーションを変えて、繰り返されるので、面白みが連続するんですよね。
あと、存在としての「悪」がまたもや登場ってのも・・・w。
ま、これは今や「伊坂幸太郎のテーマ」という位置づけと考えるしかないのかもしれませんが、「マリアビートル」を読んだときに感じた違和感を本書でも感じてしまいました。
どっちも「前作が良かった」だけに尚更・・・ってことなんですけどね。。
ま、色々言っても、面白いことは面白いんですよ。
だから基本的には不満はない。
「でも」・・・ってヤツです。
続編？
あったら読むでしょう。
出来れば短編で・・・とは思いますがw。
