鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

3世代揃い踏みw:読書録「ビブリア古書堂の事件手帖Ⅳ 扉子たちと継がれる道」

・ビブリア古書堂の事件手帖Ⅳ 扉子たちと継がれる道
著者:三上延
出版:メディアワークス文庫

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扉子が主人公になっての「ビブリア古書堂」シーズン2の第4作。
本作はちょっと趣向が変わってて、


篠川智恵子(第二話 昭和編「道草」)
篠川栞子(第三話 平成編「吾輩ハ猫デアル」
篠川扉子(第一話 令和編「鶉籠」)


…と、時間を超えて祖母・娘・孫が、戦前戦中の実在の貸本屋「鎌倉文庫」にあった夏目漱石の蔵書でもあった初版本をめぐる<謎>がテーマとなっています。
それぞれ独立してはいるのですが、連作として共通するのは、

「鎌倉文庫にあった蔵書はどこへ行ったのか?

ですね。
実際の鎌倉文庫の蔵書は今もどこにあるのか分からないようですが、フィクションとしての一つの「解」を本書では設定し、漱石の初版本からそこに辿り着く…という仕立てになっています。


それぞれのヒロインはそれぞれとして、「裏の主人公」は智恵子の夫<篠川登>かな。
第二話・第三話の語り手として登場して、千恵子との出会いや、その別れへの想いなどを語っています。
完全に絶縁…してたわけでもないのねw。


個人的にはヒロインたちの<ダークサイド>(古書に魅入られて、常識から足を踏み外してしまう)方面に話がいかないといいなぁと思ってるんですが、本作くらいだといい塩梅ですかね。
三世代が顔を揃えるのは何となく微笑ましい気分もするし。
ただ智恵子・栞子と、どういう風に扉子のキャラ付けをしていくのか。
その流れで嫌な方向に行かなきゃいいな・・・ってのが気になっています。
ま、シリーズの続編があったら、また読みますよってことなんですけどね。結論としてはw。