鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

予想以上に話が広がって行きます:読書録「ヒポクラテスの試練」

・ヒポクラテスの試練
著者:中山七里
出版:祥伝社文庫

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法医学者・光崎教授シリーズ第3作。
結構前に1作目・2作目は読んでて、面白かった記憶はあるんですが、その後フォローしてなくて、久しぶりに…の3作目です。
1・2作目は妻も気に入ってて、「新作(第5作)出てるよ」と教えられて、遡って購入となりました。
話は全然忘れてちゃってるんですけどねw。


自覚症状もなく、突然「肝臓がん」に罹って死亡した元・都議会議員。
毒殺を疑った刑事が死体解剖を光崎教授のところに持ち込むが、光崎は「毒」よりも恐るべきものを見つけてしまう。
<パンデミック>の危機に焦る光崎たち。
しかし何故か関係者は感染のルートを探ることを頑なに拒否する…


自然死じゃなくて、実は毒殺でした
…ってなミステリー展開かと思いきや、話は思わぬ方向に展開していきます。


死体解剖を忌避する日本人の気分
突然変異エキノコックス
NYの「990アパート」摘発
根深いアメリカの人種差別
マイノリティの中での差別


韓国系の高級売春宿だった「990アパート」なんかは<実話>ですね。
そこら辺も交えながら、話を広げ、<人種差別>の奥深さにまで突っ込んでいく。
差別される側が差別する側になる。
日本人には痛い話にも触れられています。


展開的には後半は「光崎の快刀乱麻」…って話じゃなくなるんですが、面白いんだからOK、かな。
個人的にはサイコ疑惑女子(w)キャシーが活躍してくれて嬉しかったですし。


このシリーズ、本格推理とは違うんですね(今更w)。
でも「読ませる」のは確かのようです。
文庫化された4作目は購入済み。
さて、ハードカバーの5作目をどうするかだなぁ…。