鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

予想以上にチャンと実写化しています:ドラマ評「十角館の殺人」

綾辻行人の処女作「十角館の殺人」の実写化。
原作はもちろん読んでる…んですけど、どんなだったかは遥か記憶の彼方w。
あんまりハマらなかった気がするんですよね。
結局、「館シリーズ」はコレだけしか読んでないので(多分)。
島田荘司さんに続いて綾辻さんが出て来たことで「新本格」が根付いたと言ってもいいと思うんですけど、僕はちょっと乗り切れなかったんですよ。「新本格」ブーム。

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「十角館の殺人」は、「衝撃の1行」「最後の1行」と言われるようになってるらしいんですが、ドラマを見始めた時点では、
「えっと、なんだっけ?」
でしたw。
途中で、
「ああ、そうか」
と思い出して、「確かにこれ(衝撃の1行)をどう…」と思いながら見てたんですが、これはかなり上手くやったんじゃないかな〜。
ドラマとしてもグッと盛り上がりましたからね。
ラストもいい引きだったと思います。


中村青司が残した「十角館」という館に、大学のミステリー研究会のメンバーが合宿のために集まる。
館は孤島の上にあり、数日間は外部と連絡を取らずに作品の執筆に籠るためだった。
その合宿に参加しなかった江南のところに、死んだはずの「中村青司」から手紙が届く。
一年前に死んだサークル仲間の「中村千鶴」は青司の娘であり、彼女を殺したのが研究会メンバーだという告発だった。
半年前に焼死したはずの「中村青司」から何故手紙が届くのか?彼は生きているのか?
そして「十角館」に集ったメンバーに死人が出る…


原作の発表が1987年。
ドラマの舞台が1986年。
登場人物たちがバンバン煙草を吸って、微妙な男尊女子的な雰囲気が底流にあって…ってあたり、雰囲気として良く再現しています。
孤島での登場人物たちの芝居がかった振る舞いが受け入れられれるかどうかってのは分かれるところでしょうが、ああいうのが受け入れられる素地みたいなのが、あの時代のあの界隈にはあった感はあるんですよね。
好き嫌いは間違いなくあるんですけどw。


現在進行形中の孤島での連続殺人と、過去の連続殺人(中村青司一家殺害事件)の探偵たち(島田潔と江南孝明)の捜査・推理が並行して進行するのは、ドラマとしては飽きなくていいですね。
明かされるトリックをどう評価するかってのはあるでしょうが、ドラマだと「最後まで楽しませてくれるかどうか」ってのが第一なので、その点では「合格」だと僕は思います。
トリックをどう評価するかは別としてw。


製作費はどうなんでしょう?
普通の2時間ドラマよりは間違いなくかかってるでしょうが、Netflixほどじゃないかな?
でも安っぽくは見えないから、これはこれでいいんじゃないでしょうか。
これが成功したら、シリーズの続編も映像化されて、その時にはもう少し予算もプラスで…と行って欲しいところです。
ミステリーの映像化って、「どういう<絵>で見せるか」ってところが大きくて、それは「予算次第」ってとこ、ありますからw。
身も蓋もないですけどね。