2部作だった「最終章」の2本目。
…なんだけど、作品的には「るろうに剣心」そのものの「前日譚」になってます。
原作では「回想」として語られるエピソードを、完全に独立させて一本にしてますね。
なんなら2部作の前作(The Final)からも独立してるって言ってもいいくらいw。
「るろうに剣心」という話は、「明治」を舞台にしながら、「幕末」を引き摺った主人公と、その「後始末」が語られる物語です。
当然、歴史上の人物が重要人物に出てきますし、「幕末の動乱」の歴史上の意味合いも反映してきます。
…なんですが、もしかしたら原作者はそこら辺は「背景」(あるいはマクガフィン)くらいに考えてたのかもw。
舞台は「そういうこと」にして、そこで派手なアクション・マンガをやっちゃろう…みたいな。
そのこと自体は否定されるもんでもないし、実際それで物語は面白くなってもいます。
実写版もそこは引き継ぎつつ、ワイヤーアクションや高速剣技で、よくできた「サムライ・ファンタジー」を作るあげてくれてると思います。
でもね。
やっぱりチョット惜しいんですよ。
「幕末」の物語を、ただの「背景」にしちゃうのは。
…で、「追憶編」。
原作者の意図がどこまであったのかは分かりませんが、幕末を舞台にしたこの作品では、歴史上の人物と時代背景が物語の中に食い込んできて、「幕末」の歴史上の意味合いが問われるような話になっています。
「新しい時代」を作ろうとする、桂小五郎や高杉晋作
「今の体制」を守ろうとする、新撰組や幕府の影の組織
本作のヒロインである「雪代巴」は、その狭間で引き裂かれるような存在と言えるでしょう。
そして、その影は主人公である「緋村剣心」にも引きずられることになる…。
映画作品としてはどうですかね。
やっぱり「回想編」をそれだけ括り出して、独立させちゃうのはチョット無理あるかなw。
物語的には「The Final」に組み込んだほうが良かったように感じます。
話のトーンがとにかく「静か」すぎるというか、なんというか。
まあ、それがあるから、アクションシーンが際立つってのもありますかね。
本作のアクションシーンについては、終盤の戦いを除くと、「幕末テロ」と「体制の弾圧」を象徴するようなシーンが多く、「リアル」とは言えないんだけど(あんなに高速で剣は振れないw)、「残虐性」は全面に出てくる表現になっています。
それが製作者のやりたかったことでもあるんじゃないかな?
だからこそ、維新後の剣心は「迷い」続けているわけですから。
シリーズ全体を通すと、やっぱり「第1作」が一番いいかなぁ。
その次が本作になるか、第2作あたりになるか。
シリーズ・ファンなら見て損はなし。
特にそうじゃないなら、1作目で十分かしらんw。
(エンタメとして、この路線はグローバルにも耐えうるんじゃないかとも思っています。
「日本沈没」とかより、<サムライ・ファンタジー>を「カンフーアクション」みたいに売った方がいいんじゃないかと思うんですが、Netflixさん、いかがでしょう)
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