鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

分断と線引きの物語:映画評「虐殺器官」

原作の感想はこんな感じ。

http://aso4045.hatenablog.com/entry/20160922/1474497855

 

あまり覚えてないんですがw、割と原作通りだったんじゃないかな~。

長さが長さなんで、全部が詰め込めれてる訳じゃないけど。

 

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「虐殺器官」


本作ではテロを背景にして、先進国と貧困国の間の分断と線引きの物語が描かれています。


相手が「地獄」に落ちても、自分たちがハッピーならそれでいい。(偽悪的に言えば)

そのために敢えて「地獄」を作り上げる。


…「敵役」のロジックはこう。


難民に対する「壁」の話なんかを想起すると、そこには一定の底冷えするリアリティも感じます。


一方で、事態はもっと進んでいて、現実には今は「分離された」はずの先進国の中においても「分断と線引き」がなされつつあるようにも思います。


それこそが主人公がもたらした「先進国」における「虐殺器官」の起動なんでしょうか?


作者(伊藤計劃)がそこまで考えていたかどうか分かりませんが、そう言うトコまでリーチする「何か」が本作にはあったのかなぁ、などと考えさせられます。

 

まあ、だからって映画として「面白い」と言えるかどうかは別ですがね〜。

チョット観念的すぎるかな〜、テーマが。

「ハーモニー」よりはいい感じで作品世界は作り上げてますけどね。