・悩む人 人生相談のフィロソフィー
著者:高橋秀実
出版:文藝春秋
小林秀雄賞も受賞したノンフィクションライターの作品。
どっかのブログ記事で紹介されてて、読んでみる気になりました。
この作者の作品、僕が読んでるのは「男は邪魔!」だけなんですけどw。
<「男は邪魔!」読書録>
http://aso4045.hatenablog.com/entry/20130629/1372467114
作品としては読売新聞で連載してた「人生相談」をまとめたもので、それぞれの相談から「テーマ」みたいなものを引き出して、それについて論考というか、エッセイを寄せる…という構成です。
この「人生相談」の方は、結構まともw。
適度なユーモアと客観性を交えながらも、相談者の後押しをするようなアドバイスをしてて、なかなか感心させられます。
もっとも言い換えれば、「読み物としては並」とも言えますがw。
一方、「エッセイ」の方はなかなかの「難物」。
古典文学やら哲学書やらを引っ張り出して来て、あーだこーだとこねくり回し、時に自分の妻のことも持ち出して議論を引っ掻き回した末に、何だか説得されてような、誤魔化されたような…w。
これがまあ、作者の「持ち味」なんでしょうねぇ。
それに乗れた人は無類に面白いし、乗れない人は途中で投げ出したくなる。
冒頭、「悩まし」について古典を引っ張り出してきた時には僕も投げ出しそうになりましたがw、総じては楽しめたと思います。古文を読む体力知力が著しく減退してることは再確認させられましたが…。
奥さんが登場して重要な役回りをするあたり、ちょっと土屋賢二さんの芸風に似たとこもあるかな?
ま、あちらが「なんの役にも立たん」(それがいいんだけどw)のに比して、本書の方は「ちょっとは自分の考えの足しになる」ってとこはあるかもしれませんが。
どちらにしても、こんな感じで奥さんを登場させることについては、
「お仲のヨロシイことで」
って感じですけどねw。