鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

地味だけど読ませます:読書録「地層捜査」「代官山コールドケース」

・地層捜査

地層捜査 (文春文庫)

地層捜査 (文春文庫)


・代官山コールドケース

代官山コールドケース (文春文庫)

代官山コールドケース (文春文庫)


著者:佐々木譲
出版:文春文庫


丁度、「推理もの」が読みたい気分になってた時に店頭で「代官山コールドケース」が文庫化されたのを見かけ、その前作「地層捜査」をKindleでDL。面白かったんで、続けて「代官山コールドケース」を文庫で購入しちゃいました。(電子書籍化されてはいたんですが、まだ価格が「単行本」価格だったものでw)
未解決事件を扱う「特命捜査対策」シリーズ、ということになるようです。


「未解決事件」を追いかけるというと、最近だと「特捜部Q」がそうですが、本作の場合はもっと「地味」な感じで、事件が起きた時代(両書共「95年」になります)やその事件が起きた「場所」の歴史を読ませる…って感じでしょうか。
事件そのものは「殺人事件」で、猟奇性や(政治事件とかに発展するような)重大性はないですからね。
それでいて「読ませる」ところが佐々木譲。冒険小説の良作を連発してた時代から読んでますが、本当に上手くなったなぁと思います。作品的な肌合いが、最近力を入れている「警察小説」にあってるんでしょう。
(その堅実さが、冒険小説では若干の物足りなさになってたのかもしれません。「外連味」という点で)


それにしても、「昔の事件」として取り扱われる事件が発生した年が「95年」。(「地層捜査」はそっから更に遡りはするんですが)
もう社会人になってますがな。
そういう意味で「歳」を感じさせられました。
だからこそ読みどころの「カン」が働いたと言えるかもしれませんがねw。


「道警」シリーズのように続編も書かれるんでしょうか?
基本的には独立した作品として読めるので、別に続きがなくてもいいんですが、あればあったで楽しみなような気がします。
また歳を痛感させられるのかもしれませんがw。