鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「さよなら、シリアルキラー」

・さよなら、シリアルキラー
著者:バリー・ライガ 訳:満園真木
出版:創元社推理文庫(Kindle版)

さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)

さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)


21年間で百人以上の人間を超えろして逮捕された「21世紀最悪の連続殺人鬼」と呼ばれる人物の息子(17歳)を主人公としたヤングアダルト小説。
父親から「英才教育」を施された主人公は、自分自身が「暗黒面」に囚われてしまうことを恐怖しながら、父親の「模倣犯」を捕まえようと奮闘します。


設定はかなりスリリング。
で、「面白そう」
と購入したんですが、ちょっと個人的には合わなかったですかね。
シリアルキラーの殺人描写(主人公の父が過去に犯したものも含めて)がどうにも気持ち悪くて、さらには主人公自身の身勝手な行動が苛立たしくて(そうならないと「物語」にならないのは十分わかりますが)、作品に没入しきれませんでした。
ちょうど読んでる時に寝屋川の殺人事件が重なったのも要因の一つかもしれません。


客観的には良くできてるとも言えると思いますよ。
主人公の「親友」と「恋人」も、なかなか考えられた設定ですし、「模倣犯の正体」や「父親の動向」、ラストの主人公の「決心」・・・と、興味が途切れない展開になっています。
どうやら3部作らしいんですが、シリーズになるのも納得できます。作品のトーンとしては昨今のアメリカのテレビシリーズを連想させるところがありますから、「海外ドラマファン」には存外受ける作品かもしれません。


ただ「合う」/「合わない」はどうしようもないと言うか。
多分、続編が翻訳されても僕は読まないと思います。
悪い作品じゃないのは分かってるんですがね。